日本共産党鎌倉市議団を代表し、議案89号令和7年度鎌倉市一般会計予算及び議案91号鎌倉市国民健康保険事業特別会計は反対他12議案について賛成であります。次に理由を申し上げます。
議案91号鎌倉市国民健康保険事業特別会計ついて申し上げます。
全国的に国保料の値上げ自治体が増えており、 鎌倉市においても値上げとなっています。国保加入世帯の6から7割の被保険者が年間所得200万円以下であり、これ以上の値上げは払いたくても払えない市民の増加するのではないでしょうか。国は保険料軽減の為一般会計からの繰り入れをやめるよう求めています。市は保険料のこれ以上の負担をしないよう、健康づくりの推進や基金繰り入れをするよう求めます。
今、公の役割が問われています。 職員の適正な増員等についてです
非正規である会計年度任用職員が全職員数に占める割合は45%になっていることは問題であります。
市答弁によると市が行わなければならない仕事は増えており、正規職員を採用しない結果、非正規職員が増加となっていると思います。
包括民間委託制度やウオターPPPなど新たな民間委託の検討が行われているとも思いますが、正規職員を増やさず、民間委託ぼ方向でいいのでしょうか。
下水道は昭和33 年(1958年)に鎌倉処理区から事業を着手・昭和47 年(1972年)に七里ガ浜下水道終末処理場を供用開始・平成5年(1993年)に山崎下水道終末処理場の供用を開始・順次、処理区域を拡大し普及率が約97.7%まで上昇してきた中で、河川や海への生活排水の流入が減少し、水質が大きく改善されてきました。
しかし、老朽化した施設の改修新築等莫大な費用がかかります。
施設新築、改修等には国等の補助が必要ですが、補助を受けるにはウオターPPPなど民間委託が条件とのことです。また、道路包括的管理委託導入の検討予算が付きました。これも民間委託の1つの方法であります。
道路の修繕、河川の浚渫、草刈り等作業センターは私たちの日常生活の安心安全まちづくりを支えています。職員適正化計画の中で技術職員等も少なくなり、日常の業務での状況把握等も厳しくなっているとのことであります。道路空洞調査など専門的な分野において委託することは理解できますが、道路等身近な維持管理等を民間に委託することには慎重であるべきです。災害時に正規職員が配置されない場合は市民の生活を守ることができるでしょうか。職員が経験とスキルを積み、市民の公共の福祉に寄与することが大切であります。
日常的な地域の防災の取り組み体制強化については地域での日常の訓練、防災の準備が大切であり、5行政区に職員を日常的に配置し、地域の町内会等との連携が大事であります。
職員の適正化の見直しが検討されていますが、公の役割、公務員の在り方等慎重な深い検討を求めると共に、適正は職員の増員を求めます。
市役所本庁舎整備事業と現在地利活用の今後について申し上げます
行政が移転先としている深沢事業用地への新庁舎等整備基本計画は2022年9月末に策定され、次の12月議会で市長は市役所の位置を定める条例改正案を提出しましたが、特別多数議決に達せず否決となりました。
その後、市庁舎現在地利活用基本計画などで一定の見直しを行い、災害対策機能を現在地にも置くことや、行政対応として窓口機能の対象拡大などが図られました。
いま、多世代にわたって暮らしが大変という切実な声が私たちのもとにも寄せられています。市民の間で明確に賛否が分かれている中で、工事の準備行為である基本設計を推し進めるべきではありません。いま一度、立ち止まるべきです。
それでも行政として、基本設計業務を進めるというのであれば、この段階で直接、市民の意思を確認すべきではあります。
その結果は当然、尊重すべきであり、直接、市民の声を住民投票の形で聞き、そのうえで行政、そして議会として最終判断する。事業規模からいっても、それに値するだけの極めて大きな課題であると考えます。
公共施設再編計画の見直しについて
公共施設再編計画については将来にわたる鎌倉のまちづくりを考える際、極めて重要な課題です。
市は今後、3年間で本格的に再編計画を見直すとしています。再編を進めるにあたって、特に、学校施設整備計画では、長寿命化や大規模改修が中心となっていることから、長寿命化の視点を他の施設にも広げて考えることが重要です。
具体的に問われるのが、総合体育館・総合グラウンドを深沢地域で整備することに伴う大船体育館と鎌倉体育館の廃止問題です。本当に一カ所に集約するのが適切でしょうか。高齢化社会のなかで、健康づくりの促進という視点から、大船と鎌倉、深沢の3拠点に位置づけて、新たな整備と大船・鎌倉体育館の長寿命化に取り組むべきではないでしょうか。
又重要なのは、本庁舎の移転先に複合整備するとしている大船消防署・消防本部です。大船地域は人口面からも都市機能からも、事実上、最大行政区という位置づけをすべきです。
12月議会で大船消防の現在地において事実上、出張所または分署という形で存続させるということです。大船消防署・消防本部は大船駅に近い現在地にきちんと位置づけるべきではあり、この点も含め、見直すべきと考えます。
又、鎌倉消防署の移転計画では署から出張所に格下げする方向が示されています。
鎌倉の地形、交通問題等考え、適切でしょうか。検討を求めます。
村岡新駅問題と深沢地域整備事業について
次に、深沢地域整備事業については、村岡新駅建設が1月に着手となり、本格的に工事が始まることになりますが、市民の間には市外の駅に公金を支出することについて、今なお強い反対の声があります。本当にこのまま進めて良いのでしょうか。令和7年度から14年度までの長期にわたり、42億3千5百万円もの債務負担行為が設定され、保留地処分金の見通し如何によらず、税金としての負担が保障されているわけです。
新駅の設置費用は、159億円と物価高騰等の影響で9億円増となりましたが、さらに上昇する可能性は否定できません。スライド条項の適用を含め、今後さらに工事費が増加すれば、かつて市長が「仮に160億円を超えると新駅はあきらめざるを得ない」という水準を上回る費用になるわけです。
さらに、新駅がなければ必要がない「シンボル橋」の整備費15億円も今後、上昇することは明らかです。このように、市外に整備する駅に多額の公金をつぎ込んでいくことは、やはりおかしいのではないか。アンケートでも7割が自治体負担の新駅は反対であります。こうした市民の声に真摯に向き合い今からでも見直すべきと考えます。
共産党市議団が昨年12月から1月に行った市民アンケート調査では1623通の返信があり、暮らしが厳しくなったと答えた方は65%になっており、4年前に行ったアンケート結果の2倍となっています。市民生活支援の取り組みが求められます。
学校給食の無償化を
議案102号鎌倉市学校給食費に関する条例の一部を改正する条例の制定については物価高騰により、食材費が上がっており、子ども達の栄養等保障し、より良い給食内容を維持するため必要な措置であると考えます。値上げ分については市が負担する予算が計上されています。国において2026年(令和8年)からの給食無償化の検討がされていますが、鎌倉市においても県や国に対し、学校給食費無償化に向けて、地方自治体に財政負担をするよう強く求めていくとともに、鎌倉市においても無償化を実施するよう求めます。
また、中学校は弁当方式ですが、委託工場規模は80%が限度であるとのことで、すでに80%の利用率であります。
中学校給食の無償化に置いてはすべてのすべての生徒が給食を利用できるよう、受け入れ施設の検討を求めます。
公共交通の充実や高齢者交通補助等外出支援の取り組みについてです
高齢者バス割引乗車証購入費助成制度が凍結されてから12年目、2025年予算に市民の運動と共産党も一貫して要望してきた高齢者外出支援の1つとして高齢者バス補助制度が盛り込まれたことは評価するものです。しかし、70才以上非課税年間3000円の補助では不十分であります。
年金等収入が実質的に増えない中で、公共料金や電気、上下水道の値上げなど生活が厳しくなっています。
富山市では市が1億数千万の補助を出し、65才以上高齢者はお出かけ定期券を1000円で購入でき、1回100円で乗車できます。また、まちづくりの視点で公共交通利用者と自家用車の方の追跡調査を実施。公共交通利用者のほうが補足数も医療費も少なくなっており、交通費補助の効果が確認されています。
今、バス便が減り、高齢者、市民が外出しにくい状況が加速しています。
他市等からも学び、交通事業者との協議はもちろん市が責任をもって公共交通の充実、外出支援の取り組みの強化を求めます。
保育料の無償化の拡大について
鎌倉市は2子以降の保育料は独自に無償化しました。保育園在籍児が1名になると無料化対象から外れます。第2子無料化の年齢制限の撤廃の検討を求めます。
又、満3才から5歳児副食費の軽減についての検討を求めます。
保育職員の待遇改善、運営費について申し上げます。
保育士は命を預かり、成長を促し安心して子供たちが過ごせるよう働いています。しかし、保育士の給与は他事業と比べ、低い給与であり改善が求められます。
保育園の土地借地料補助の新設や障害児保育士加算や1歳児保育士配置も公立と同じように1対5の運営費加算を求めます。
又障害児一時事業所の運営も厳しい状況です。家賃補助の新設を求めます。
子ども居場所の充実について申し上げます。
子ども会館が閉鎖され、乳幼児や中学生、高校生等の居場所が少なくなりました。
町内会館等様々な可能性を考え、居場所の拡大を求めます。
青少年会館は玉縄消防出張所の建て替え場所として検討されています。
玉縄でも鎌倉青少年会館で行った青少年を主体にした取り組みを行うなど、縮小廃止でなく充実を求めます。また、岡本2丁目用地については問題の解決を早期に諮り、青少年の居場所等新たな拡大を求めます。
子どもの家の改善について
子どもの家の入所児童の増大から子どもひろばの面積を縮小し、子どもの家の定数を増やそうとしています。
子どもの家の1人当たりの入所者の基準は1,65㎡ですが、子どもひろばの基準はありません。子どもひろばの面積を狭めるのでなく、子どもの家の入所児童が増加する傾向であるなら 施設を増やすなどの検討を求めます。
介護保険について 申し上げます
2024年4月の介護報酬引き下げ後、事業所の休廃止が加速しています。高齢者が地域で暮らし続けることが難しくなっています。さらに介護職の人材不足は深刻になっています。
国の制度上の問題はあるものの、市としても事業所に対する運営費補助や介護職に対する補助の検討をすべきであります。
健康で元気に暮らし続けることはすべての人の願いであり、健康づくりの取り組みは重要であります。
市の努力にもかかわらず、特定検診やがん検診率は低いままで推移しています。特定検診やがん検診の推進や自覚症状がない緑内症や骨密度検診の新設を求めます。
学校プールと水泳指導について
2校に1校のプール設置方針である鎌倉のプールは13校中3校のプールは老朽化によって修繕せず使われない状態となっています。
保護者から「天候によって水泳授業ができなくなった、また、生理で授業に参加できない」ことや西鎌倉小の保護者からは「手広中のプールが使えなくなり、モノレールに乗り腰越小学校のプールまでいかなければならなくなった」、修繕して使えるようにしてほしいとの声が寄せられています。スイミング教室に通えないお子さんもいます。海に近い鎌倉においても自分の命を守るためにも水泳指導は必要です。水泳指導者の配置等行うこと、また、全天候型プール等の検討を行い、その間は修繕し使う等子どもたち教育環境を整えることを求めます。
少人数学級について伺います。
いじめや不登校の問題は深刻です
鎌倉市において不登校特例校が4月からオープンします。
不登校になる原因は様々だと思いますが、行き届いて教育環境の整備のためにも少人数学級が急がれます。
やっと小学校の35人以下学級が2025年度で6年生まで実施されますが、国においては中学校の35人以下学級を2026年度から実施するとしていますが、鎌倉市の取り組みや準備を確実に行うよう得るよう求めます。
3)安心安全のまちづくりを目指して
避難所の改善について
避難所環境の改善という点では、全体としてスフィア基準に沿った避難所環境の整備が重要であります。
特に、大きな課題となっているのが、トイレの問題です。
内閣府が昨年12月に改定した「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」に沿った取り組みを求めます。
学校体育館への空調設備設置についてです。
「避難所となる学校体育館の空調設備の整備の加速化について」は重要課題です。「空調設備整備臨時特例交付金」をつかい、国の動きも踏まえ、具体的な計画策定を含めた前向きな取り組みを改めて求めます。
緊急輸送道路等の対策についてです。
耐震基準前の非木造や木造建築物の対応の促進や緊急輸送道路や災害対策本部へのいたる道路の電線地中化は緊急課題です。具体的な体制構築と計画的実施を求めます。
歩道整備については西鎌倉地域の根上り工事が予算化されました。
アンケートでも歩道段差解消やひび割れ、ガタツキなどの改善、道路改善、草刈、河川の浚渫等たくさんの具体的要望が寄せられました。村岡新駅に税金を使うのでなく、身近な公共工事を行ってほしいとの声もたくさん寄せられています。道路改善歩道修繕の対応強化を求めます。
ごみ問題についてです
鎌倉市内での焼却処理施設は今年度でなくなります。
逗子市での焼却は10年間だけです。真剣に脱焼却・脱埋め立て、地球環境にやさしいごみ処理の在り方を審議会で検討することを求めます。
戸別収集には2025年4月から先行地域1万世帯で戸別収集が始まり、2026年度からは全市実施するとしています。
山坂が多く、狭い道路が多い鎌倉市での戸別収集は収集員の負担は重く、昨今運転手不足が問題になっているとき、継続的安定的実施が可能なのか不明であります。また、費用負担も増えるばかりです。
戸別収集は燃やすゴミだけであり、ステーション収集は継続し、市民による管理も続きます。高齢者や子育て中の市民の負担軽減というなら、声かけふれあい収集の充実、対象拡大の検討こそ行えばいいのではないでしょうか。
今からでも戸別収集の見直しを求めます。
意見に盛り込まれた内容も含め、様々な意見提案をしてまいりました。市民生活優先のまちづくりの視点で取り組むよう求め、討論を終わります。