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たかの洋一のかけある記

2024年5月17日

鎌倉市まちづくり審議会の運営改善について

相手が誰であれ、おかしなことには正面から対峙していく。言論でたたかっていく。頼朝公にはなれないけれど、鎌倉の一隅を照らしていきたい。

「わたしの提案」 市議会議員 高野洋一

鎌倉市まちづくり審議会は、鎌倉市まちづくり条例に基づき、まちづくりについての基本的事項又は重要事項の調査審議を行うのが所掌となっています。5月13日開催の同審議会において、由比ガ浜四丁目の大規模開発事業が議題となりました。その手続きについて、まちづくり条例(第27条)違反の疑いがあることを私は、2月21日開催の市議会・建設常任委員会の陳情審査において具体的に指摘し、担当部への質疑と意見開陳を行いました。

そのうえで、3月7日開催の令和6年度一般会計予算等審査特別委員会において、私は同条例に基づく市の諮問機関である同審議会に意見を聞くよう求め、所掌事務を確認したうえで、同条例違反の判断まで求めることはできないが、意見を求めることは可能であることから、異例ではありますが、そのことを議会という公の場において確認しました。なお、他の予算特別委員からの異論は全くありませんでした。私が議会事務局に求め、任意で提出された速記録(取扱注意)をご参照ください。

そうした経過を踏まえ、5月13日開催の同審議会で「4 その他」として取り上げられました。ところが、その冒頭で審議会会長が語気を荒げ、「所掌外」であり意見を求めたこと自体、議会(議員)として「不見識」だと発言したのです。仮に事実であるなら、議会議員である私が不当な要求を行政側に行ったことになり、私自身が責任を問われることになりますが、既に記したように、そのような事実経過は一切ありません。

当日は、私を含め多くの市民が傍聴に来ていましたが、後日、「市民の立場にたってほしいですね。意見を求めている行為を不見識とはどういうことなのでしょうか?」という声が私に寄せられました。まちづくり審議会の運営上、事実経過に照らして会長の「不見識」発言は許されるでしょうか。逆に、責任が厳しく問われるべきではないでしょうか。地方自治上、議会からの正式の要請に誠実に応え、真摯な議論を行うどころか、事もあろうに議会を「不見識」と何らの根拠も示さず発言した会長の責任は重大であり、当該発言を撤回し、このような乱暴かつ傲慢な運営を改善するよう強く求めるものです。

仮に、そうした誠実な姿勢を示すことができないのであれば、会長を務めている当該人物について、同審議会委員として相応しいかどうか、人事権者である鎌倉市長の責任もまた、厳しく問わざるを得ないことを申し述べるものです。そのことだけでも、委員として問題でありますが、そのうえで運営上、幾重もの矛盾に満ちた「不見識」極まりない態度と発言を同会長が行ったことも驚きを禁じ得ず、今後の運営改善を求める観点から以下、指摘するものです。

1.意見を求めたことが「所掌外」であり、「不見識」であるとまで述べたにも関わらず、なぜ審議会として取り扱ったのか。運営上、支離滅裂であること。

なぜなら、「所掌外」であるというなら、そもそも取り上げること自体が誤りであり、あのような意見を述べる必要も全くなかったわけです。議員の私のことを「不見識」と述べた会長自身が全く矛盾した態度をとったわけで、それこそが不見識そのものです。

2.そのうえで、同会長が「自分のみ専門」として意見を述べたことの意味について、

とりわけ「事業者としては条例違反」と述べた内容は決して軽いことではないこと。

繰り返しますが、あのような発言をしておいて、なぜ自身だけが意見を述べたのか。

自分だけが「専門家」などと思い上がったのか知りませんが、その後の発言で、条例に罰則がなく、変更申請によって違反状態が「補正された」と述べても、同会長として、事業者が条例違反したことを認めた発言は、社会的にも極めて重い意味をもつことになります。その限りにおいて、私が意見を求めたことの目的が果たされたわけで皮肉なことではありますが、これも自身の運営としては支離滅裂であると言わざるを得ないこと。

また、罰則がなければ法律や条例は守らなくても、「後で行いを正せば問題ない」ということになってしまいます。この点もまた不見識そのものです。他にもあります。

議会議員というのは、1千億円を超える鎌倉市の予算と鎌倉のルールである条例等を決定する権限をもつ重い責任のある職です。だからこそ、主権者から直接選挙で付託されているのです。その議員が条例違反の疑いに直面して、何もしないのであれば、議員である意味はなく、その立場から今回、異例ではありますが、あえて同審議会に意見を求めたのです。行政学や地方自治を「専門」としている学識経験者の委員であり会長がそうした意味を全く理解できないのであれば、語るに落ちるとはまさにこのことです。「不見識」という発言を倍にしてお返しするより他ありません。

今回の「不見識」発言は、鎌倉市まちづくり審議会における同会長の運営面での問題を如実に示したものであり、今回の事実を通じて今後の運営改善を強く求めるものです。改めて当該発言の撤回を求めるとともに、鎌倉市まちづくり審議会が主権者である鎌倉市民に資する運営となるよう、私は一人の議会議員として断固とした立場で今後も必要な対応を議会内外で行うことを表明するものです。

最後に、なぜ「わたしの提案」というツールで今回の問題を整理してお伝えしたのか。その意味について申し述べます。私は議会議員ですから、市議会の手法として、本来は「文書質問」で今回の問題を質すのが筋道であると認識しています。

但し、その場合、市担当部局の負担がさらに大きくなることが考えられるため、今回の問題について何ら責任のない行政側に過度な負担となることは最小限、避けるため、市長への「わたしの提案」として行うことを判断しました。この形式で、こうした内容を提出することもまた異例なことかもしれませんが、今後の民主的な審議会運営のために少しでも活かしていただけたら幸いです。

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