10月29日、鎌倉社保協主催の学習会が行われました。神奈川県保険医協会の知念哲氏が講師です。
政府が閣議決定した「骨太の方針2022」では、デジタル社会の実現に向けた重点計画が打ち出され、その基盤づくりとして“アメとムチ”によるマイナンバーカードの普及促進が強められています。
マイナンバーカードはマイナンバーの確認と本人確認をカード1枚で行うこと。保険証の仕組みはオンラインで資格確認をすること。政府は全国民にカードをつくらせたいと「マイナポイント」等ばらまく政策を実施しています。それでもやっと取得者は約50%。さらに、保険証利用登録件数では20%程度です。取得率が進まないのは、国民の個人情報をすべてひも付けして集積するやり方に、個人情報が守られるのか、国民の強い懸念があり政府への信頼が低いからです。マイナカードは強制ではありません。しかし、保険証の廃止を目指すとして国民へのカード取得の事実上の義務化を考えているのです。デジタル社会を目指すとして、政府は保険証利用を皮切りにマイナンバーカードを各種カードに一体化(例:母子手帳、国家資格、在留カード、運転免許証、国家資格証等々)。
とりわけ、医療情報という極めて機微な個人情報をひも付けされて集積されることに国民が強く憂慮するのは当然です。さらに、健康保険証を廃止すれば、マイナンバーカードを持ち歩く機会が増え、紛失のリスクも増加し、情報漏洩や第三者による悪用などの懸念も高まります。マイナカードの取得、常時所持・利用が広がることを通じて監視・統制社会に傾斜・移行していくのではないか。マイナ保険証、実質義務化に対し、マスコミも反対の声。医療現場でも仕事が増えるだけと反対の声が多いのも当然です。ネットでの反対署名も2週間で11万筆集まったとのこと。
2024 年中に保険者による保険証発行の選択制の導入、「保険証の原則廃止(=マイナンバーカードの保険証利用の原則化)」の方針は、 医療というセーフティネットをダシに使いマイナンバーカードの取得を強要するものであり、断固反対・撤回の声を上げていかなければならないと思います。マイナカード取得強制阻止に向けて声を出していきましょうと訴えられた。