鎌倉共産党議員団は下記の理由により 反対しました。
反対11、賛成14で指定管理議案は可決してしまいましたが、利用者は「利用区分」を2時間にしたことで「使いにくくなった」「会の活動を続けられない」など多数の声がよせられています。
指定管理は10月から行われますが、今後とも市民の声に寄り添い、改善を求めていきます。反対討論を吉岡和江議員が行いました。
第7号指定管理者の指定について
今回鎌倉生涯学習センターほか5施設をCITYパートナーズに指定する議案について日本共産党鎌倉市議団を代表して反対の立場から意見を申し上げます。
市は直営から指定管理へ運営形態を変える理由として、夜間の稼働率が低いことや現役・若年世代の利用率が低いことを挙げ、「新しい生活様式に対応した学習活動の支援」「多様な学習機会の提供」等、特にICTを活用したオンライン通信やリモートの導入が急速に進む中、運営の改善を図りたい、そのために民間のノウハウを活用したいというのが市の説明です。
指定管理者に決まった事業者は他市での事業経験やノウハウを生かし、レイアウト・演出の変更、自販機、Wi-Fi設置等、夜間帯の受付スタッフの配置、備品の充実刷新、市民の生涯学習のさらなる振興に向けた提案として、社会教育主事経験者をきらら鎌倉に常駐させるなど、社会教育の充実のための組織体制を構築する等が提案されたとのことです。運営費用については夜間受付を全館行うことで3600万増額するが、基本的には直営と変わらない指定管理料とのことです。
しかし、社会教育施設として充実するため必要だと思えば、夜間の受付等の人の配置や人材育成を直営で行うべきであり、できるはずです。
学校が子どもの社会教育施設なら、生涯学習センターは多世代の人々が学んだり、演奏したり、話し合ったりするなど生涯にわたって知的活動を行う社会教育施設です。市の説明によると公民館から生涯学習センター名称が変わったとき「地方教育行政の組織及び運営に関する法律第30条の教育機関という根拠を持ち、社会教育施設として運営していきたい」との答弁がされており、その基本的性格は変わらずに今日まで運営されてきていました。
なぜ市職員が運営から「手を引く」動きになったのか、どこでどういう議論がされ、なぜ指定管理者制度導入が妥当なのか、委員会での質疑を聞いても、よく分かりませんでした。
公共施設、生涯学習センターはどうあるべきか。職員はどうあるべきか問われます。市は課題を解決するため、指定管理をする必要があるといいますが、そうでしょうか
ICT活用というなら、改定された生涯学習プランに記載されているように、市職員も市民とともに学んでスキルを高めていくべきではないでしょうか。
身近な社会教育施設として専門的な配置は必要です。人事については一定のルールを作り、継続的な専門職の人事配置を考えていく必要があると思います。
市の施設から市の職員がいなくなってしまうことは長い目で見て市の発展、市民の利益が失われていくことになるのではないでしょうか。
鎌倉芸術館は次期指定管理者を公募した結果、どこからも応募がないという事態になり、3期15年間運営しているサントリーの撤退という事態になりました。そうした継続性や安定性の問題で指定管理者制度が問われているなか、社会教育の中心施設から市職員がいなくなることは大問題です。
更に重大なことは、昨年12月議会の指定管理への議案が提案される前に利用者団体等に一切意見を聞いていないことです。現に利用している方々からの意見や思いを聞かずに、きちんとした運営ができるのでしょうか。
生涯学習センターの指定管理問題を強行に進めてきた結果、市民との信頼関係を失い、行政とつくりあげてきた協働の財産も失われることになるのではないでしょうか。
以上のことを申し上げ、討論といたします。