鎌倉市は昨年3月末に、市内に焼却施設は造らないと方針転換を発表。紙おむつ、生ごみの資源化を図っていくとともに、混合ごみについても「乾式メタン発酵」「バイオエタノールへの資源化」等民間事業者への拡大により、将来全量資源化していくとし、広域化と自区外処理によって、ごみの安定的処理は可能としました。しかし課題山積で見通しはたっていません。
① 逗子市・葉山町との広域連携は課題
昨年11月に公表した2市1町(鎌倉・逗子・葉山)「ごみ処理広域化実施計画(素案)」では、名越焼却施設廃止後、逗子市に2025年度から鎌倉分の燃やすごみの焼却を依頼する方針です。
しかし、逗子の焼却炉は名越と同規模で、鎌倉の燃やすごみ年間3万㌧を受け入れられず、受け入れ可能量は約1万㌧です。
●名越の中継施設計画
25年以降は逗子市に運ぶための中継施設が必要としています。35年度以降は、2市1町で焼却施設は建設しないという方針です。2市1町の燃やすごみを自区外処理する関係もあり、鎌倉市における候補地を名越クリーンセンターとしています。しかし地元地域住民との協議はこれからです。
② 生ごみ減容化施設等 実現の見通しなし
市は生ごみの資源化として埼玉県の久喜宮代衛生組合の「生ごみ減容化施設」を今泉クリーンセンターに建設する計画です。この方式が鎌倉のような都市型地域にふさわしいか疑問です。住民の合意も得られていません。生ごみの次に多い紙おむつの資源化もどこで資源化するのか、方針がはっきりしていません。
③ ゼロ・ウェイスト推進
市民合意を大切に
安定的ごみ処理ができず混迷・停滞を引き起こしているのは市長が「生ごみメタン発酵施設」を11年前に中止したことにあり、責任は重大です。ゼロ・ウェイストの方針でごみ処理をどうするのかが課題ですが、現状は不透明です。
党市議団は市民合意や審議会での論議を重ね、安定的な処理方針を作成するよう求めています。