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2019年12月20日

第4期基本計画策定についての反対討論(高野議員)

議案第61号第3次鎌倉市総合計画第4期基本計画の策定について、日本共産党市議団を代表して意見を申し上げます。

第4期基本計画は、基本理念として、「市民自治の確立」「人間性豊かな地域づくり」及び「環境共生都市の創造」を掲げており、将来都市像として、「古都としての風格を保ちながら、生きる喜びと新しい魅力を創造するまち」を掲げています。

そのもとで、6章からなる将来目標と24の分野、37の施策の方針を策定しようとするものであります。計画の内容については、一定の市民意見や審議会での意見も踏まえて、大きな方針としてまとめられたものであり、大部分について賛成でありますが、問題は、「計画の推進に向けた考え方」の行財政運営についてであります。

本計画の第2編「計画の概要」第1章「基礎条件」の「2土地利用」において、「深沢地域整備事業は…国の戦略を受け、新たな時代を見据えた社会インフラや多様な機能の導入により、その実現を目指します。…」などと記載されています。また、第3編「施策の方針」第5章(2)「市街地整備」において、「深沢地域整備事業においては、JR東日本の新駅を含めた藤沢市村岡地区との一体整備により、地域の利便性の向上を図る…」などと記載されています。

そのうえで、第2編第2章「計画の推進に向けた考え方」の「2行財政運営」において、「深沢地域整備事業や市役所本庁舎の移転整備など、将来に向けて必要な投資も一定の財政負担が必要であり、…そのため、行財政運営の最適化や公共施設再編など、…諸々の経費圧縮を図る…」などと記載されていますが、このことが何を意味しているのでしょうか。

税金は大型開発優先でなく、市民生活優先を

深沢地域整備事業や新駅建設、本庁舎などの移転整備により、一般会計の年額に匹敵する総事業費となることが考えられます。財政見通しは今後の実施計画のなかで示されるとのことですが、「一定の財政負担」という表現で収まる負担規模とはとても考えられません。

そうした大規模事業の推進を前提にして、「施策の選択と集中」、「公共施設マネジメントの推進」などによって「経費の圧縮」を図るというのであれば、地域の福祉や健康づくりの充実など、日々の暮らしに身近な施策が結果的に削減・抑制されてしまうのではないでしょうか。

当市議団は、新駅建設に鎌倉市として参加せず、財政的にも身の丈に合った開発計画にすること、また、市役所本庁舎の移転を含む公共施設再編についても、本格的な市民参加のうえで現実的な見直しをおこなうよう強く求めています。しかし、大規模開発と巨額の財政負担になりかねない方針を推進し、一方で市民合意が全く不十分な公共施設再編などにより市民生活に我慢を強いるような鎌倉市政のあり方で本当に良いのか、そのことがいま根本から問われているのではないでしょうか。

本計画には、そうした市政のあり方や方向性が反映されており、特に行財政運営の基本的な考え方に大きな問題が認められることから、本議案に反対せざるを得ないことを表明し、討論といたします。

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