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議会での質問等

2019年10月4日

2019(平成30)年度 鎌倉市一般会計歳入歳出決算などに対する討論

 

日本共産党鎌倉市議会議員団を代表して意見を申し上げます。

議案第34号平成30年度鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算は不認定、議案第29号平成30年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算については、修正案を提案した立場を踏まえ認定、またその他の5議案についても認定するものです。

■まず議案第34号鎌倉市介護保険事業特別会計歳入歳出決算について申しあげます。

介護の社会化で始まった介護保険の現状は、年を追うごとに改悪され、保険料においては、3年に一度の改定が平成30年度に行われ、平成32年度までの第7期計画期間の介護保険料が決定されました。第1期の平成12年は第1号被保険者で月額2,660円の基準額でしたが、第7期は5,464円となり、倍以上となりました。

これまで鎌倉市は保険料を16段階まで細分化し、低所得者への保険料を抑制してきました。基金の取り崩しも行ってきましたが、今回、保険料が据え置かれたのは一番低い第1段階だけで、他の15段階の保険料は値上げとなりました。

年金の受け取り額が減り、消費税の増税などで生活がたいへん厳しくなっている今日、健康づくりの推進とあわせ、払える保険料にすることが大切です。

現在の16段階の保険料からさらに段階を増やすことで保険料の抑制が可能であることから、平成30年度はさらなる努力を求めましたが、残念ながら16段階に据え置かれました。今後、16段階から20段階程度への改善を求める立場から、不認定とするものです。

■次に、議案第29号平成30年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算について意見を述べます。

■まず、ごみ行政についてです。

平成30年度予算案で唐突に、生ごみ減容化処理施設を建設するという市長の政策転換の予算が計上されました。

本来、生ごみ資源化施設は、ごみ処理行政の全体のスキームの中で位置づけるべきものです。予算審議では、鎌倉市にふさわしい処理方法や処理規模を含め、市長の諮問機関である生活環境整備審議会などで調査・審議をおこない、責任ある方針を示すよう強く求め、議会として減容化施設建設に係る予算を減額修正するに至りました。

平成30年度は審議会から答申がされ、まずは実験段階程度の小規模な減容化施設建設の方針で取り組む方向になったと認識していますが、地元住民の皆さんとの合意形成を図れる見通しがあるのでしょうか。そして年度末に市長は、市内に焼却施設を作らないと宣言しましたが、その先の見通しでもあるというのでしょうか。

ごみ処理施設は住民にとって最も身近でデリケートな問題であるだけに、慎重な対応が必要であることは言うまでもありません。私たちは前市政の時から燃やすごみの約半分を占める生ごみの全市的な資源化をおこない、燃やすごみを減量化することが焼却施設問題の解決に道を開くことになると再三にわたり申し上げてきました。今年度は何の予算計上もありません。今後の見通しもつかないのであれば、減容化施設の是非を含めた検討を、行う必要があるのではないでしょうか。

今後、全市的な資源化が可能な処理方式について、候補地を含めた調査・検討を行い、より効果的な生ごみ資源化施設の施策を示すよう求めるものです。

■次に、職員数適正化計画について意見を申し上げます。

第4次職員数適正化計画では、平成37年令和7年までに109人減らす計画となっています。ここには、「目まぐるしく変化する社会情勢の中で、新たな市民ニーズに即した事業を実施しなければならないときには、一定の人員体制を整える必要があります。」 と書かれています。しかし返す刀でこう述べています。「市が実施する事業の取捨選択も効果的な手法の一つである」と、露骨に市民サービスの削減を効果的な手法として提案しているのです。この通り、職員数適正化計画は、適正化の衣を着けた削減計画にほかなりません。非常勤職員への置き換えに誘導することはあってはならないことです。

実際、人手不足という声があちこちから聞こえてきます。また、専門職が少なくなっているとも聞いています。職員が元気でやりがいを持続できる職場にしていくには、職員体制についての現場の声をしっかり受け止めることが何より必要ではないでしょうか。特に災害時の対応を基本に、改めて職場の聞き取りをすることを求めます。

次に、深沢地域整備事業のありかたとまちづくりについてです。

長い間、地元が待たされてきた深沢地域整備事業は、当初H31年度に都市計画決定をする、遅れが出ないようにやると言っていたものが、村岡新駅と一体の事業となったため、さらに2年遅らすことになりました。村岡新駅については、我が会派が全市的に行ったアンケート調査においても、8割の市民が反対していました。一般会計に匹敵するばく大な経費をかける事業が、村岡新駅のゆくえ次第となっており、資材の高騰、消費税の影響など、整備事業の行く末の不安材料が払拭しきれていません。深沢地域整備事業は、新駅問題とは切り離して、着実に前に進むようにするべきです。


次に子ども・子育て支援事業について申し上げます。

子ども会館について議会の議決を待たずに市内に配布した「※平成32(2020)年3月で閉館」と書かれた『暮らしのガイドブック』の問題では、再発防止を求めるものですが、あってはならない事務処理をやってしまった背景には、市長が強引に進める「公共施設再編計画」があるからではないですか。

市長は、「子ども・子育て支援事業計画の着実な推進を図る」といいつつ、「公共施設再編計画」に基づき玉縄青少年会館の閉館もふくめ、乳幼児の居場所を次々となくそうとしています。この事実を知った市民から陳情が出され、市民不在の再編計画であることが露呈しました。

玉縄青少年会館は令和元年度においても「子ども・若者育成プラン」にもとづき居場所づくりを継続して実施していくとなっています。市長は、再編計画のあとにできた、改定「子ども・若者育成プラン」との矛盾に責任を持たず、一方的に再編計画を優先させ原課の職員を混乱させたのです。市長が、玉縄青少年会館の廃館条例案を、本議会の直前に取り下げようとしたことで、まさにこの問題の本質が浮き彫りとなりました。

そもそも公共施設再編計画は、計画段階で、きめこまかく市民・住民、特に施設利用者と一緒につくっていれば、こんな騒ぎにはならなかったはずです。

「公共施設再編計画」にはこのように書かれています。「今後の人口動向や社会情勢の変化などに柔軟に対応するため、基本計画の策定段階に合わせ計画を改定するなど、計画の硬直化を招かないよう取り組んでいくことも必要となります」と。

少なくとも陳情が出て採択された施設に関しては、公共施設再編計画の見直しを図るべきではないでしょうか。

また、あおぞら園にあっては、松尾市長が平成23年に、あおぞら園を含む、いくつかの公共施設に対し、指定管理化や民営化の在り方の検討の指示を出しましたが、原課は、「公設公営でいくことが必要」という結果を出しました。それにもかかわらず、児童福祉法の改定を口実に、原課の判断を変えさせたのです。指定管理の善し悪し以前の問題です。職員の士気にかかわる問題であることを申し述べておきます。

■津波浸水地域の危険ブロック問題です。大阪府北部地震で、高槻市の小学生が倒壊したブロック塀の下敷きになり死亡した事故を受け、本市でも通学路の危険ブロック塀の調査が進み、危険ブロック塀等対策事業補助金の交付も格段に進みました。一方、津波浸水地域に限れば、まだ全貌がつかみきれていないのが現状です。市長は昨年、今後こうした課題について協議をしていくと述べました。地震はいつ起きるとも分からないのですから、2項道路に面した危険ブロック塀も含め丁寧に住民の意見も聞きながら、解決を急ぐ必要があると思います。

■北鎌倉隧道の安全対策事業についてです。4年以上もの長きにわたり、通行止めにされてきました北鎌倉隧道は、平成30年度に工事費として1億円の予算をつけておきながら、見通しのないままに一年が過ぎ、今年度は1円も予算を付けていません。この問題は今年度中に決着をつけるという強い意志を持って臨んでもらいたいと思います。

最後に、議案第32号の鎌倉市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算について申し上げます。

平成30年から、国保の都道府県化が行われました。これにより、国保加入者の保険料支払いが大幅に値上げされることが予測されたことから、これまで再三、法定外繰り入れの増額だけでなく、均等割の軽減措置をすべきと提案してきました。

国保の加入者は、ほとんどが自営業や高齢者、非正規労働者、低所得者です。国保では、会社員や公務員にはない均等割りが適用され、家族が増えただけ値上げされる特徴があります。こうした不公平を是正するために、全国知事会は、均等割りをやめることや国の1兆円負担を提案しています。また、全国市長会、医師会も同様の提案をしています。

国民健康保険は命綱です。原局もそのことは十分理解しているようで、国に負担を求めるとしています。命綱が一度でも途切れることがないように、法定外繰り入れの増額だけでなく、鎌倉市の独自の制度として、均等割りの軽減措置を行うよう求めます。

以上、地方自治体の責任において、住民の生活を守り、住民自治が行えるよう求めることを申し上げて討論を終わります。

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