3月末に市長は山崎焼却施設は建設しない、市内に新焼却施設は作らず、燃えるゴミは広域連携やできない場合は自区外の民間事業者等に頼む、事業系ごみは全量資源化(民間事業者)、生ごみは分別し今泉で処理、紙おむつの資源化施設整備する等の方針を発表しました。
現在「鎌倉市環境整備審議会」等に検討をしていただいています。
党議員団はゼロウエイストの立場から、燃えるゴミの半分の生ごみの資源化を市の方針にし、進めるよう求めてきました。最後に残った燃えるゴミを限りなく少なくする方向が必要です。今泉での生ごみ処理や紙おむつ施設など市民との合意や生ごみ資源化方法等課題は山積しています。今回、市は今まで難しかった混合ごみについて、「乾式メタン発酵事業」や「バイオエタノールへの資源化」等ごみ処理を民間事業者へ拡大委託等の活用を打ち出し、将来全量資源化するとしています。燃やさず、資源化する方向は大切ですが、新しい技術もあり、検討が必要であると思います。
市が検討しようとしている、寄居町にある「セキスイ バイオエタノール化実証施設」に議員有志15人で視察に行ってきました。寄居町にある「オリックス資源循環株」内の敷地に「セキスイのエタノール化実証施設」があります。
貸し切りバスをチャーターし、5月21日に行ってきました。下記は議会に提出した報告書です
◆実施日:2019 年 5 月 21 日(火) 10:00 ~ 12:10分
◆場所:埼玉県大里郡寄居町三ケ山313 セキスイ バイオエタノール化施設視察
◆参加者氏名:武野裕子、吉岡和江(他 鎌倉市会議員13名)
◆活動目的・内容:鎌倉のごみ処理の今後の取り組みについて
オリックス資源循環株の最新ガス化改質施設とセキスイの廃棄物ガスを微生物によりエタノール化するパイロットプラント視察
◆実施結果:
◎オリックスの「ガス化改質施設」は埼玉県のPFI施設で20年間の委託を受けている
今までのガス化ではなく、完全資源化を目指す
ダイオキシンを出さないよう 2000度にガス化、溶融し、急速に70度に急冷 その結果ダイオキシンの生成をさせないようにする 規制値の10分の1以下にするようにしているが、実際はもっと低くなっている 2000度に上げるエネルギーはごみと都市ガス利用
焼却灰や飛灰などが一切発生しないリサイクル施設とのこと
空気を-200度Cに冷却し、酸素だけとりだし、酸素を使って2000度Cにし、ガス化溶融
排ガスも酸性液、アルカリ性液で洗浄・精製され、燃料用ガスとして発電に利用
溶かし、スラグ(路盤材等)とメタル(鉄と銅の合金、銅を取り出す)などリサイクル
硫黄分は触媒を使って取り出し、硫酸の材料にする
最後は塩水になる 水と塩に分ける 塩は凍結防止剤に使用
酸素量を調整。不完全燃焼状態にし、CO2発生を抑え、COとH2ガス3分の1ずつにする
良いガスになるため 高効率発電になるとのこと
基本は燃えるゴミを引き受けている 燃えるゴミなら対応できるが 分別することは大事
◎セキスイ バイオエタノール化施設
エタノールからプラスチックの材料 エチレン精製 石油枯渇を考えごみからプラスチック原料を
エタノール精製にはCOがほしい。今までの焼却施設ではCO2になってしまうので、ガス化施設が必要 オリックスから廃ガスを供給してもらい、微生物触媒でエタノール化
廃棄物から出るガスは400種の雑多物質があるが、それを特定・精製。微生物が好むガスへ精製する技術を確立した。雑多な物質をきれいにする技術(ガス化精製技術の確立)
微生物にCOや栄養剤投入 微生物を活性化 35度Cの温度を微生物は好む
微生物触媒によるエタノール生産 ビールぐらいのアルコール濃度
ウサギの中の微生物をきれいにした、ベンチャー企業から微生物を購入している
感想:まだ新しい技術だが、廃棄物をリサイクル、ごみを焼却しないで、二酸化炭素を抑えることも大きな利点。自然界に存在する微生物を使って取り組むとの精神は大事。
今後実験プラントから実用化に動きだそうとしている。今後の取り組みを注視したい。