8月8日、鎌倉市が導入しようとしている、「生ごみ減容化」施設の視察に議会としていってきました。台風13号が心配されましたが、幸いなことに雨にもあわず、勉強できました。
まず、久喜宮代衛生組合の職員から説明をうけました。
久喜宮代衛生組合は新焼却施設建設反対の中で、審議会を経て
1、 焼却量をへらす
2、なるべくリサイクルを進める
3、生ごみの資源化
行なうと決めたとのことです。久喜市と宮代町で共同して衛生組合をつくり、生ごみの堆肥化事業をすすめてきました。なかなかうまくいかなかった中で、HDMシステムを採用。3トンの生ごみの資源化を進めた。約1万世帯をモデル地域とし、約半数の世帯の協力を得ている。
しかし、久喜市が1市3町で合併し、一部地域だけの生ごみ処理の費用対効果から見直しが検討された。
久喜市は新焼却施設をつくり、組合は解散する予定。今後は久喜市で宮代町のゴミも燃やす予定。生ごみの処理は堆肥化からバイオマスを検討しているとの事。いづれにしても組合は解散されるとのことです。
現在、日量3トンの生ごみの処理を行っています。
HDMシステムとは 木材チップに菌床(土壌菌の中の放線菌、系状菌、油分解菌、リグニン分解菌などの微生物を含む菌床)に生ごみを投入し、よく混合する事で効率よく発酵分解が進むとのことです。
うまく発酵が進むと、1日で水と二酸化炭素、窒素に分解。90%の生ごみが減容するとの説明でした。
においはそれほどでもありませんでしたが、当然臭います。よい発酵のためには空気を入れよく混合することです。小さな施設のせいでしょうか。
次に熊谷清掃社に伺いました。
菌床を提供している会社です。
まず、臭いが強いのでと、つかい捨てのレインコートとマスクが配られました。
確かに強烈な匂い!生ごみと菌床を混合する機械の洗浄をしていたらしい。換気扇装置がないので、においますとのことだったのですが、菌床と生ごみを混合した畝も相当の臭い。
建物の端に生ごみがビニール袋に入って置いてあったのですが、そこは当然臭いがきつい。
発酵は速いといっても生ごみそのものの臭いと発酵臭なのか、身体中に染み付いた臭いはとれませんでした。
「近所の方から苦情はないのですか」の質問に「活性炭も入れたので、初めはあったが今はない„」とのことでした。しかし、近隣は田んぼと工場。人家はほとんどない。200メートルのところに3軒ぐらいとのことです。
臭い対策は活性炭を使っているだけ。換気や臭い対策は不完全。
一般廃棄物及び産業廃棄物で有機物(生ごみ等)の堆肥化(減容化)を日量14トンおこなっている。申請は20トンとのことだが、場所の大きさからは9トンぐらいが適切ではないか。と言っていました。
よい発酵の為には空気が必要で、チップと生ごみと高く積み上げてはよい発酵になりにくい。
かなり広い場所が必要。都市地域には難しいのではないかと思った。
匂いや規模など課題が多い!
鎌倉でも植木選定材の堆肥化で臭い問題があり、富士吉田市に移動した経過がある。
良い発酵の条件は切り返しを行い、空気を送ることが必要。
鎌倉では日量24トン以上の施設をつくろうとしているが、久喜宮代の6倍の施設となると、相当広い場所が必要ではないか。計画案では今泉と将来は名越に作ろうとしているが、人家も近く、課題は多い。
久喜市は今、生ごみのバイオガス化も検討しているという。鎌倉市は8年前バイオガス化施設計画をやめてしまった。理由は同規模の自治体での施設はないとしていたが・・。
現在、生ごみの20トン以上のこのような堆肥化施設は全国的にないとのこと。生ごみ減容化施設は費用が安いといっているが、臭いの問題や発酵がうまくいくのか等。
他の自治体や民間の施設がなぜ大きな施設をつくらないのか。検証が必要ではないか。
町田市は生ごみのバイオガス化施設建設を進めています。
鎌倉市は焼却施設の建設も市民の大反対で見通しがない。
一貫性のない市の姿勢が市民の不信感を生んでいるのではないか。
鎌倉市で安定的な処理施設をどうするのか。課題は大きい!