市役所移転は急ぐ必要はない
現在、市では公共施設再編計画に基づき、市内の公共施設の統廃合を検討しています。具体的には5つの行政区に「拠点校」を決め、そこに学習センターや福祉センター、図書館などを複合整備しようというものです。
「拠点校」を今年度中に決定するとのことですが、学校への集約については土地の形状や面積、子どもの安全の確保などから課題が多く、一律的に進めるのは問題です。
全体として公共施設の見直しは重要課題です。同時に、公共施設は地域の核をなすものであることから、統廃合・再編ありきではなく、住民生活や地域の実情、将来あるべき方向を見据えて住民合意のもとで検討することが必要不可欠です。
再編計画との関係では、市役所移転が大きな問題です。市は、今年度中に移転先を決めるとしており、深沢国鉄跡地が有力視されています。移転理由として、現在地では災害時に地震・津波などで孤立し機能不全に陥ることが強調されていますが、それは鎌倉地域全体が抱えている課題でもあり、市役所だけの問題ではありません。
鎌倉時代から継続的に中心的な行政機能が鎌倉地域に置かれてきました。それを移転することはまさに「首都移転」です。地域の衰退につながらないよう、まちづくりの視点が大切です。また、移転費には現時点の概算で180億円かかることから、少なくとも急ぐ必要はありません。これだけのお金をかけるなら、老朽化した学校などの整備を優先させるべきです。