6月議会は本日終了しました。42議案のうち、6議案について下記の理由で日本共産党鎌倉市議団は反対、他議案は賛成しました。
討論をご紹介します。
議案第9号鎌倉市放課後子どもひろば条例の制定について、議案15号鎌倉市障害児活動支援センター条例を廃止する条例の制定について、議案17号鎌倉市子どもの家条例の一部を改正する条例の制定については反対、他の7議案は賛成です。
昨年以来、市は子ども会館・子ども家の運営を直営から指定管理者での運営に方針転換をし、急速に進めてきました。梶原子ども会館の運営から始まり、今回で委託運営は5カ所の子ども会館、6箇所の子どもの家になります。
特徴は委託に株式会社を導入したことです。また、現在の子どもの家を併設していない、いわゆる子ども会館の単独館は長谷、梶原、深沢に加え、西鎌倉、岩瀬が新しく、子ども広場条例等により、子ども会館単独館となりますが、公共施設再編計画との関係もあり、将来単独館は閉鎖の方針があることも知りました。
子ども広場条例は放課後子ども総合プランに基づき、設置しようとしている施設です。日本共産党は学校敷地内に別棟で子どもの家の設置を求めていたことから、施設設置には賛成です。しかし今回の計画は運営を株式会社に委託することと、単独館となる5つの子ども会館は委託が終了した時点で閉鎖する検討については問題があり、反対です。
子ども会館は地域の子育ての居場所 異年齢集団での遊びは大変重要!
学校内の子ども広場は学校に在学している児童が対象です。特に必要と認めるときは在学児童以外の利用も認めることができるといいますが、子ども会館のように自由に利用できるわけではありません。
子ども会館は地域の子どもたちが乳幼児から中学生まで自由に遊べる場所です。異年齢集団での遊びの機会が少なくなっている今、指導員の見守りの中で、交流する機会や子育てグループが利用をしている、地域の子育ての居場所であります。学校に広場ができたからといって、閉鎖していいのでしょうか。
利用者に話がなく決めていいのでしょうか!
この方針を子育てグループや利用者は知りません。高齢者も含め、地域の居場所づくりは多くの市民が希望することであります。再考を求めたいと思います。
福祉子育て施設は利益を生むことが求められる株式会社はなじみません
本来福祉・子育て事業は運営費の7割以上が人件費であり、利益を生むことが求められる株式会社の運営はなじみません。
保育園民営化問題を審議した、平成14年の児童福祉審議会の答申で次のように述べています。「民間企業の保育事業への参入が認められ、全国的にみれば参入の動きが一部に出てきています。しかし、より大きな利益を生むことが常に求められ、利益が得られない市場からは撤退していく性格を持たざるを得ない民間企業に移行した場合、これまで鎌倉市・市民の努力によって向上してきた保育水準を長期的・安定的に維持できなくなる危惧があると考えられます。したがって、公立保育所を民営化する場合には、移行先は企業ではなく、社会福祉法人とすべきである」としました。
また、梶原子ども会館を指定管理に移行する前の運営では、市の考え方は明確でした。子育て支援団体と市との協働事業「募集要項」において次のように記しています。「運営団体募集の条件として、「梶原子ども会館は公の施設であり、公の事業であることから、「営利団体」でないこと」としていたのです。その精神を引き継ぐことが市の運営の基本的な考え方ではないでしょうか。
保育・福祉の運営において 社会福祉法人と株式会社運営では、人件費が低く抑えられ、人の移動が大きいなど、利益を生むことが常に求められ、利益が得られない市場からは撤退していく性格を持たざるを得ない民間企業は福祉事業になじまないことは明白です。
今後も子ども会館・子どもの家を指定管理に移行していくのでしょうか。
こどもの家の職員待遇は全国でも8割が非正規で大半が年収150万を下回る状態があります。国の補助金が少ない、指導員の資格問題など解決する課題はたくさんあります。
国県に補助金などの充実を求めるとともに、子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりとしての在り方の深い検討を求めます。
公的施設として バリアフリーが完備した 深沢子どもセンターで重度障害児の受け入れを
議案15号の障害児活動支援センター条例を廃止する条例の制定について
複合施設である深沢子どもセンター内の障害児活動支援センターは①、放課後等デイサービス②、障害児等余暇支援事業を指定管理者に委託し運営している市の公の施設です。法改正により、障害児活動支援施設は市内に複数設置されてきましたが、アパートの一室をお借りして、運営している施設も多くあり、重度の身体障害児は利用ができません。
市として、バリアフリーが完備した本施設において、重度の障害を持つお子さんの受け入れが可能な施設を公的施設として、市が責任をもって運営すべきです。この点での論議もないまま、民間施設としての運営に切り替えることは問題があります。
委託化、民営化が加速度的に進められていますが、公的施設の在り方は住民の福祉の向上の視点で深い検討が必要です。
尚、議案7号の子ども会館・子どもの家の指定管理者の指定も同様の趣旨で反対したことを申し上げ、討論を終わります。
印鑑条例について (コンビニでのマイナンバーカードを使っての証明書発行)
議案11号鎌倉市印鑑条例の一部を改正する条例の制定について、日本共産党鎌倉市議団を代表して、反対の立場から討論いたします。
本条例は個人番号カードを使って、コンビニで印鑑証明、住民票を取得するため、条例改正するものです。
ご存知のように 個人番号カード、通称マイナンバーカードは国民すべてに番号を振り、国が管理しやすい制度作ったものです。証明書以外には必要なく、カード発行率は鎌倉で15,8%、県内では平均13,8%と低いのが実情です。
第一の反対理由は情報漏えいの危険性が増すことです。年金基金で2年前におきた125万件の個人情報漏洩問題では、「行政の民営化や外部委託における情報漏えいの危険性」が指摘されています。
個人番号カードを持ち歩くこと、個人が1人でコンビニの多機能端末機を使用して証明書が取得できるという便利さは、違う角度からいうと、個人情報の漏えいの危険が増すことであります。
第2に今年度から始まった職員削減計画では、公共施設再編計画に示された、行政センターをなくし、窓口業務を市役所本庁舎に一本化するとし、建替え計画では1万5千㎡の2倍の3万㎡の床面積を持つ市役所を作る計画が進められています。職員を減らし、誘導するための布石でもあります。
また、カード発行率は低く、コンビニでの利用を行うことでカード発行数を高めていこうとしています。
証明書や住民表取得が便利になることと引き換えに、個人情報漏えいの危険性が増す、行政センターをなくすことにつながる、今条例には反対であることを申し上げ、反対討論を終わります。
事業系ごみ処理手数料の再度の値上げに反対
議案21号鎌倉市廃棄物の減量化、資源化及び処理に関する条例の一部を改正する条例の制定について
日本共産党鎌倉市議団を代表して反対の対場から討論いたします。
2014年年10月の大幅な値上げ(キログラム13円から21円)に続き、事業系のごみについて、処理手数料についてキロ21円から25円に値上げをしようとするものです。
質疑によると、事業者は鎌倉市内に5300社おり、許可業者による搬入は2300社、事業者が自らの搬入する燃えるゴミは約500トンとのことで、多くに事業者のごみ処理状況はつかんでいないとのことです。
福祉関係事業者の処理費用減免を!
また、福祉関係事業者も同じような処理費用になっており、福祉関係事業者についての減免などの配慮はないとのことです。
許可業者は市に処理費用を現在10キロで210円支払っており、事業者からいくら、処理と運搬費用をもらっているか、市はつかんでいないとのことです。
鎌倉市の燃えるゴミは2018年3月まで、名越クリーンセンター近隣住民の皆さんのご理解を経て、年間33000トンまで焼却させていただいていますが、それ以降は3万トン以下にすることは市民との必ず守るべき約束です。しかし、3万トン以下にするめどは立っておらず、現在もあふれた燃えるゴミは市外で焼却をお願いしていという非常事態が続いています。
市民の収入は減り、営業も大変
更に、事業者をめぐる営業、事業の実態です。観光地以外の多くの商店街では跡継ぎ問題等廃業が進んでいます。
市民の収入減少は止まらず、20年前と比べ約平均60万円の減少、最近でも一部高額所得者や大企業は潤っていても市民の暮らしや営業は落ち込んでいます。
今やるべきは事業者の実態把握と分別資源化の徹底のため事業者訪問と市の責任で生ごみの資源化を
ごみの分別資源化は市民、事業者協力なくして進まないことは鎌倉のごみの取り組みの歴史を見ても明らかです。
今必要なことは、やっと始めた、事業者への分別資源化への指導を強めていくことではないでしょうか。事業者訪問も始まったばかりですが、訪問しているのは大量排出事業者が中心です。事業者の営業実態、ゴミ出しの実際等、事業者訪問を行い、実際をつかむことや燃えるゴミの50%強の生ごみを市の資源物と決め、進めることが必要です。
以上の点から、事業系ごみの処理手数料の値上げには反対であることを申し上げ討論を終わります。