2、行革問題について(2月19日の代表質問より)
新鎌倉行政経営戦略プランは歳出削減、歳入確保の目標値をかかげ、確実にこれを進める手法として、包括予算が全行政執行に導入されました。その結果、担当職員をして「歳出削減のため、健康、福祉分野の予算まで、苦渋の選択でカットせざるを得なかった」と言わざるを得ない状況を作り出しています。
今、市役所の中はどうなっているでしょうか。職員としてスタートした時の抱負や情熱は今も持ち続けられているのか。職場は生き生きしているのか、職員の健康状態は等々・・・。
行政組織のあり方が健全であってこそ、やる気、モチベーションの高揚、何でも言える職場の雰囲気、良好な人間関係が築け、そうであってこそ「市民に親切丁寧」な市役所が築けるのだと思います。
しかし、十数年続いたいわゆる「行革プラン」や「職員数適正化計画」によって市役所全体が疲弊していると感じているのは私たちだけでしょうか。質の高いサービスを市民に提供できるでしょうか。市長は市役所全体をどんな状態と見ているのか、率直にお答えください。
職員削減による過重負担等が原因で、精神的事由による1カ月以上の病休者は24年度で29人、25年度で38人もいます。21年度が21人ですから倍近くに増えています。また、このうち90日以上の休職者は24人もいます。
この数字は県下でも上位ではないかと思いますが、いかがですか。また、26年度の現在までの状況はどうなのか伺います。
この数字は様々な問題の凝縮された一面であると思います。休職、療休に至らない予備軍も多数いることを想像させます。事態は相当深刻だと思いますが、市長はどのように受け止め、どうしなければならないと考えているのでしょうか。
相談体制を強化することは大切ですが、メンタルヘルス対策を必要としない市役所づくりこそ求められているのではないでしょうか。
全国の自治体は職員削減を競うかのように、人員削減が行われました。
勿論、我が党は、無駄を省き、効率的で公正・民主の「住民こそ主人公」の市政をめざして取り組んできましたが、今、どこの職場も人手不足でアップアップしています。アルバイト、非常勤などでその一端が支えられているものの、技術・技能、経験が若い職員にきちんと継承されているのか等は、大きな問題ではないかと率直に思いますが、いかがでしょうか。
こうした点からも現業職員の退職不補充の方針も再検討すべきと思います。さらに、市民要望に迅速に対応している作業センターは市民生活に密着した重要な部署であることから、さらなる体制の強化をお願いしたいと思いますがいかがですか。
新たな鎌倉行財政プランについて
松尾市長就任早々、22年の予算で事業仕訳を行う前に、行革元年として、高齢者の「敬老祝い品」事業の中で、80歳、90歳は廃止し、100才だけにしました。そして、最初の事業仕訳対象30項目のうち、高齢者や福祉、子育サービスなど福祉、暮らしにかかわるサービスが多数対象にされ、多くの高齢者施策は不要とされました。新行革方針と包括予算制度が連動して、さらなる福祉や市民生活への施策の後退や受益負担増が進んできたのではないでしょうか。本来、行政の仕事は企業のような収入確保や利益を生むことが目的ではありません。収入確保として、公共施設のネーミングライツや年間48万7千円の収入を得るために鎌倉市の世帯に発送する封筒に企業等のコマーシャルを載せることが公共としての収入確保策として適切なのか、検討する必要があります。また、先人たちが積み上げてきた市の財産である、公有地を売り払うことが適切なのか。財産の売り払いは最後の最後の財源確保策ではないでしょうか。
市民生活を守ること、市民が自立し、収入が増え、結果として住民税が増えるような施策を行うことこそ、自治体の本道ではないでしょうか。現在の行革方針等を進めていくことは、持続可能な市政をつくることにならないと思います。
新プランの検討にあたっては福祉、暮らしを後退させるような、包括予算制度や行革プランの見直し図るよう求めますが、見解を伺います。 続く