リサイクル率トップクラスの市民に
道理のない ごみ有料化を強行
松尾市長就任以来、最大の行政課題はごみ問題でした。今泉焼却場の平成27年焼却中止を見越して、市、議会一致して準備してきた「バイオマスエネルギー回収事業」を、理由も代案もないまま、一方的に白紙にし、行き詰った末に持ち出したのが「ごみ有料化」負担増のおしつけでした。議会でこの誤りを指摘し、解決策を示してきたのに、いっさいこれに耳を傾けることなく”有料化”を提案しました。6月27日、最終本会議で、共産党など4会派の理由を示した有料化反対の主張に対し、賛成議員からは、1人も賛成討論する者がないまま、反対11、賛成13の僅差で可決されましたが、このこと自体”有料化”がいかに道理のないものであるかを示しました。
今泉焼却場廃止、山崎バイオマスエネルギー回収施設、名越焼却施設は3位一体
市長の判断ミスにより、今泉は廃止するが、代わる施設はつくらず、1万トンの燃やすごみ(今泉)を市民・事業者に減量を丸投げしたことが今日のごみ問題を混迷にした原因!!
新焼却施設は10年後の名越廃炉後の問題
日本共産党市議団を代表して討論に立った赤松議員は、5つの理由をあげ、〝家庭系ごみ有料化〟は結局〝分別・資源化〟を口実にした、新たな収入確保(受益者負担)でしかないことを厳しく批判し、反対しました。
今泉焼却場の焼却中止は、すでに10年前に決まっていました。そのため前市長時代に、下水汚泥と生ごみを混合処理する「バイオマスエネルギー回収施設」を山崎浄化センター敷地内に計画し、準備していました。順調に進んでいれば来年度頃には完成していたものを、松尾市長は就任まもなく、理由も代替案もないまま、この計画を白紙にしたのです。議会の多数意見も無視しつづけ、今泉中止も近づくなか、いよいよ行き詰まり「負担が嫌ならごみを減らせ」といわんばかりの強硬策に出たのが、家庭ごみ有料化です。
しかし、有料化で3万トン以下にはできません。
家庭ごみ焼却量 県下で最少
市民はこの20年間、減量化・資源化に努力し、表の通り全国でもトップクラスの成果をあげてきました。それでも、市長は「一人あたりの量が、全国トップの小金井市より多い。発生抑制で7千~8千トン減らせる」と説明しますが、これは都市の特性を無視した非科学的な議論です。鎌倉は、年間1千万人も訪れる観光地。必然的に事業系、観光ゴミも多く、単純に人口で割って比較しても何の意味もありません。
党市議団は家庭ごみの焼却量は一人一日あたり、382g、有料化を実施している藤沢市の467g、大和市の475gより少ないことを示し有料化の効果をただしましたが、答えはありませんでした。
「(有料化の)負担がいやなら、ごみを減らせ」式の有料化で成果があがるはずもなく、共同の努力も信頼も壊れるばかりです。
やるべきことをしないままでは本末転倒
市は可燃ごみのなかに25%の資源物が含まれており、さらに資源化できるとしています。
夫々の資源物の総量の内、紙パックが30%、布類54%、容器プラスチックが41%の協力率です。この事実を市民にもっと周知し、協力を呼びかけるべきです。さらに、市内事業所7千事業所のうち、ゴミの排出実態の把握は30%弱の2千事業所にとどまり、残りは放置されていることを市も認めました。
混入する資源物の協力率を80%に引き上げれば、約2千トン、事業所への調査と指導の徹底で、さらに減量が可能です。やるべき努力をせずに”有料化”ありきは本末転倒です。
減量・資源化の目的が
新焼却炉等の財源確保に!
昨年の市民への説明では、有料袋の収入の使途は説明がなかったのに、今年に入って急遽、「新焼却施設の建設費に」と説明しはじめました。
しかし、ごみ処理基本計画にも、有料化の条例にも使途は何ら明記されていません。
ごみ処理施設は本来、税でまかなうべきもので、〝税の二重取り〟です。
新焼却施設4候補地を発表
資源物まで燃やす新炉計画には反対!
今議会に、名越焼却場廃炉後の(10年後)新焼却施設予定地が初めて発表されました。
いづれも深沢地域の①野村総合研究所跡地②深沢地域総合整備事業区域内市有地③山崎下水道終末処理場④深沢クリーンセンターです。今年中には1カ所に絞り込む予定とのことですが、法的手続きや決定済みの行政計画、地元住民との約束など問題を抱えた場所ばかりです。
今は分別の徹底!
10年後は資源物も焼却?
燃えるごみの50%は生ごみですが資源化の検討はせず、10年後も燃やす方針です。市民に減量を強いる一方で、10年後は今回資源化する製品プラスチックも燃やすことを検討するとしています。これでは市民の理解は得られません。
焼却ごみの50%占める
生ごみは資源化を!
バイオガス化の技術進歩と各地実例、経済性を再検討し、生ごみの資源化をあらためて進めるべきではないでしょうか。
燃やすごみを分別・資源化し、どうしても資源化できない最小限を焼却する「ゼロ・ウエイスト」の方針を貫くことが必要です。
全国トップクラスの減量化を行ってきた、市民力を信頼し、共同を進めることこそ大切です。
資源化率・全国第2位 (国基準) | |||||||
人口10万人以上50万人未満 | |||||||
2013年度 | 2012年度 | ||||||
1 | 東京都 | 小金井市 | 48,4% | 1 | 東京都 | 小金井市 | 47,9% |
2 | 神奈川県 | 鎌倉市 | 47,8% | 2 | 神奈川県 | 鎌倉市 | 47,6% |
3 | 岡山県 | 倉敷市 | 47,4% | 3 | 東京都 | 調布市 | 46,0% |
4 | 東京都 | 調布市 | 44,0% | 4 | 東京都 | 西東京市 | 40,2% |
5 | 東京都 | 三鷹市 | 40,1% | 5 | 東京都 | 三鷹市 | 40,0% |
鎌倉市の家庭系焼却量 市民1人当たり、県内で一番少ない | |||||||
1人/日あたりの焼却量 | 資源化率・2013年 | ||||||
鎌倉市 | 382グラム | 47,8% | |||||
藤沢市 | 467グラム | 有料化実施 | 30,4% | ||||
大和市 | 475グラム | 有料化実施 | 21,3% | ||||