3月5日の2月議会本会議で「[トレイルラン規制の条例化についての陳情」が多数で採択されました。共産党市議団は下記の理由で反対しましたが、今後とも、一般登山者とランナーがお互いに楽しめるように、どのような問題があるのか、改善点や、ルールなど関係者が協議を重ねていってほしいと思っています。
以下は議会での討論を載せます。
日本共産党鎌倉市議団を代表して陳情第134号トレイルラン規制の条例化についての陳情について反対の立場から討論いたします。
今回、トレイルランをめぐる内容について問題提起していただいたことには感謝申し上げます。
陳情によると、最近、あらたなスポーツとして「山の小道」トレイルを走るスポーツ愛好家が増えており、狭い山道での事故や環境問題を心配することから、最終的にはタイムレース禁止、団体走行の禁止、個人も含む全面禁止等規制条例制定を求めるものであります。
しんぶん報道によると、市長は10回目開催予定だった「鎌倉アルプストレイルランニング大会」中止申し入れを行い、中止となったとのことでありますが、どういう論議をもって中止になったかの情報は示されていません。
正式の陸上競技に位置付けられていないものの、トレイルラン愛好家は増え続けているとのことで、登山者との関係、自然環境への不安を指摘されています。
環境省や東京都などもガイドライン策定の検討をしているとのことです。トレイルラン愛好者も「いつ接触事故がおきてもおかしくない状況。お互いが楽しめるようにスピードを調整するなどランナー側にやれることがある」とマナー向上を呼び掛けたり、「人どおりの多い登山道や時間帯を避ける必要がある」として「人通りの多い一般登山道でマラニックやレースなどは開催するべきではないと思う」等と述べています。
時代によって自然の楽しみ方は変わっていきます。新しいスポーツがランナー自身の問題として、市民が始めたという歴史を段階を追ってつくっていかないとスポーツは文化になりえません。登山者の安全とスポーツとして楽しめるように、どのような問題があるのか、改善点やルールなど関係者が協議を重ね、より良いものになっていってほしいと思います。
今大切なことは、規制条例をつくるという結論を出すのではなく、日本オリエンテーション協会関係者が指摘するように「まず、ランナー自身が危険回避を充分すること、限られた自然をどう利用するのか、行政や登山者らも含めてよく議論する必要がある」と話されていますが、その通りだとおもいます。
そもそも、民有地や公有地が混在している山道をどのように規制するのかという問題もあり規制条例は簡単なものではありません。
委員会での質疑や意見でもすぐ条例をつくるのでなく、よく論議を重ねてほしいと各委員は要望されていました。その通りだと思います。
私たち市議団は委員がいないことから、議論に参加できませんでしたが、問題提起を受け、継続的な論議を重ねていく必要があり、現状では条例をつくるという判断はできないと考えておりました。委員会で結論を出すことになったことから、今まで申し上げました、理由から反対するものですが、現状をつかみ、関係者との協議等を重ね、スポーツ愛好者と登山者の安全が図れるよう、取組を積み重ねていってほしいと思います。以上で討論を終わります。