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議会での質問等

2014年2月21日

地方自治法の本旨 「市民の福祉の増進」の市政を 予算代表質問を行いました 

2014年予算議会が始まりました。共産党鎌倉市議団は赤松議員が予算代表質問を20日に行いました。

内容をお知らせします。

◎市民の福祉・暮らし最優先の市政運営を

住民の生活の場である市町村にとって「住民福祉の向上」という自治体の本旨に真に責任をもってこれに答えようとした時、今ほど国の政治のありようを問わなければならない時はありません。

国の2014年度予算案が発表された時、メディアは一斉に「『自助』家計にズシリ」「負担増メニューずらり」と報じました。

それによると、社会保障の負担増と給付減が目白押しで、税を財源とする「公助」を抑え、本人や家族の負担を増やす「自助」を重くするのが基本。賃金の上昇が追いつかない中、家計が苦しい家庭が増えそうだと報じました。

それは、暮らしや、社会保障に限ったものではありません。現憲法のもと、戦後つくられた教育委員会制度をはじめに民主的教育の諸制度の改悪、秘密保護法の強行にみられるような、国民主権と三権分立、議会制民主主義の根幹を揺るがしかねない事態が進行し、地方自治体にも様々な影響が懸念されます。

こうした状況を直視すればするほど、今まさに、地方自治体はどうあるべきか、国の悪政からこれの防波堤となって住民の暮らし、福祉をどう守るのかの真価が問われています。

さて、提案された平成26年度予算は松尾市長のもと、むこう6カ年を展望して策定された第3期基本計画の初年度の予算であります。私達日本共産党市議団は、この6カ年の基本計画に対し、市政運営の基本となる行財政の運営方針が市財政の現状を過度に“危機的”と強調し、「選択と集中」「事業委託、民間活力の導入」による「歳出削減」「徹底した行政の効率化」と述べ、政府の進める方向と軸を一にし、市民福祉の向上が見込めないことから反対したところでありますが、つい先頃、前期3カ年の実施計画の姿が示されました。これを踏まえて以下具体的に質問したいと思います。

包括予算制度と実施計画について

 

平成26年度予算は、25年度の福祉分野と市民生活分野に続き、全予算に包括予算が導入されました。それは1.事業の優先順位を徹底する 2.身の丈にあった取り組み 3、国や県の肩代わりは行わない 4.新たな歳入確保を追及する5、受益者負担の強化6、担い手の再検討、職員削減、民間委託の推進、収入確保であります。

この30年間、歴代市長による行財政の見直しと称した、マイナスシーリングで、福祉や市民の暮らしにかかわる施策が大きく削られてきました。その上に「県臨調」の補助金カットは福祉や暮らし、子育て分野で大きな影響を受けています。

担当職員にとって何を削るかが大命題では働く職員に苦渋の選択を迫るだけでは、職員の創意工夫も生かせないような方針は見直すべきだと考えますが、いかがですか。

包括予算制度の予算編成権限は各部長にあるとのことですが、実施計画と26年度予算を決める過程で、重点事業をどのような手順で決めたのでしょうか。各部が決めた事業どおりに決まったのは、52事業のうち何事業か、調整の中で各部からの要望でなく重点事業となったのは何事業か、どういう調整が行われたのか。市長提案で重点事業になったのは何事業か。どういう理由なのか伺います。

 

具体的に1つ質問いたします。今回実施計画に体育施設整備事業としてグランドと体育館施設を深沢の国鉄跡地に整備するという計画が立てられました。松尾市長が21年11月に就任し、初年度となった平成22年度予算を「行革元年」と位置付けたなかで、スポーツ施設建設基金の一般財源からの積立を「不要・不急」として見直し、20年度に1億、21年度は2000万円積み立てていた基金をやめてしまいました。この基金は平成20年2月定例会で制定されたもので、総合体育館や運動の整備を視野に財源的に見通しをたててそのために設置したものです。用地を含め多大な費用が掛かり、その当時、体育館で50億円、グランドで25億の建設費がかかると説明もされていたものです。そのまま継続していればすでに2億に達していたのです。

スポーツ施設整備を推進してきた立場からは歓迎するものですが、市長の取り組みの一貫性がありません。22年には不要不急と言っていたのは市長自身です。今回重点事業にし、予算では3か年で6200万を予定し、設計まで行うことになった経過について伺います。

 職員の適正化について申し上げます。

 包括予算制度では財源確保の一環として職員の削減や民間委託の推進があげられています。

憲法25条は「すべて国民は 、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」 また 地方自治法では 「住民の福祉の増進を図ることが本旨」であるとし、そのうえで「最少の経費で最大の効果を挙げる」ことが求められているのではないでしょうか。何のための行政なのか。持続可能な市政と言いますが、今も鎌倉で暮らし、今まで鎌倉をつくっている市民が大事にされない市政運営で、将来の市民も大事にされるのか、地方自治の本旨からほど遠い市政になるのではと思います。見解を伺います。

 

職員は市民の福祉増進、充実のために働いています。「高齢者のふれあい収集」「消防職員の1人暮らし高齢者訪問」「雪や台風被害に対する対応」「子育て」「高齢者や障がい者の支援」「健康づくり」「防災対策」「環境保全」等等。職員は市民生活のあらゆる分野で中で、市民に奉仕する公務員として仕事を積み重ね、経験を積み、専門性を獲得していくのです。何故正規職員を減らすのか。

地方分権の名のもとに財政は伴わないまま、事務事業だけでも200以上の仕事がおりてきました。でも正規職員は減らしても増やさない。見せかけの人件費は減っても臨時職員などの増加で物件費は増えていますが、これでは職員の専門性は積み重なっていきません。

専門性、経験を積み重ねて行政の優れた力の継承していくためにも、適正に職員の増員を図るべきではないでしょうか。見解を伺います。

 技術職、専門職確保について

 道路や橋梁、河川等社会基盤の多くは1960年代に集中的につくられ、40年から50年経過した維持管理と更新がせまられています。さらに、建築物を中心とした公共施設再編整備計画にも取り組んでいる最中でありますが、それを担う担当の技術職員はどんな状態なのでしょうか。

国交省の地方自治体へのアンケート調査によると、今後の懸念として担当職員の不足、予算不足による安全性の低下を指摘し、国への要望として、維持管理、更新に対応できる人材の育成、実地研修の実施があげられていますが本市の場合、どうなのでしょうか。

また10年前と比較し関係の部単位で見た時どういう実態なのでしょうか。今後、山崎浄化センターの長寿命化計画、下水道幹線の再整備など、新たに事業化が予定されている中、これを保持する陣容の確保、さらに、環境部がこれから取り組む関係で、電気、設備、機械、化学などの技術職はこれで良いのか。

その現状と問題点についても伺いたいと思います。

 現在、保育士、保健師、学芸員等の専門職を除く技術吏員は正規で171人、再任用職員20人と伺っていますが、職場によっては再任用職員しかいなかったり、正規職員が少なく再任用職員によって業務が成り立っているような場合もあり、期限が来て退職するような場合どうするのか。必要な人材は計画的に確保する必要があります。

これは学芸員などの専門職についても同じですが基本的な考え方について、伺いたいと思います。

図書館運営について伺います

 1994年に採択されたユネスコ公共図書館宣言があります。

公共図書館は原則無料で、地方及び国の行政機関が責任を持ち、文化・情報提供、識字及び教育のため、その場を提供する責任を明確にしています。

それを保障するために制定された、図書館法は、住民の学習権保障の基礎的な一翼を担うとされ、運営は、「公」が責任をもって行うべきことを明らかにしています。

この理念をふまえて、鎌倉の図書館は、市民の学習権を保障する努力を重ね昨年で100年の歴史をきざみました。

その図書館について、市が策定している公共施設の再編計画や昨年市長選挙公約で「サービスの質、コストなど競争原理を働かせ、市民サービスの向上を目指す」とし「図書館運営を民間委託」などするとしています。そして民間委託の例として「武雄図書館」を挙げていますが、これは市長の指示によるものでしょうか。また、図書館の公共性を担保するための議論がされたうえでのことなのか。伺います。

 武雄図書館はTSUTAYA(ツタヤ)やTカード事業を展開しているCCC(カルチェア・コンビニエンス・クラブ)を指定管理者としています。これにについて日本図書館協会常任理事の山本関東学院大学教授は「CCCが指定管理者として利用者の情報をつかうことはあると思うが、仕組みの上では第3者である、Tポイント・ジャパンにIDや利用日時などの情報が渡ることになっており、図書館運営以外の目的で使用される懸念がある」と話していますが、図書館を民間に丸投げし、利用者の個人情報が守れるのか、市民のための図書館になるのかという重大な懸念が指摘されていますが、「武雄図書館」を例として紹介した理由を伺います。

 

昨年もこの代表質問で取り上げましたが、その際教育委員会は公立図書館の役割を述べた中で、「図書館の持つ公共性専門性を保ちつつ、設置者として市民の知る自由を保障し、サービスの質の向上を図るとともに広く市民に愛される図書館を目指して運営していきたい」と答えている通り、この中から到底指定管理者の導入などが視野にないことはあきらかです。

さらに100周年記念誌「これからの鎌倉の図書館の姿」の中でも公の責任はますます大きいとはっきり述べられています。

これから先の100年も公共が市民と共同して、市民の学習権保障の場となるよう努力すべきと思いますが、基本的考えを改めて伺います。

 

公共施設再編整備計画について

 公共施設のあり方について伺います。

公共施設については地方自治法の本旨である「住民が健康で文化的な生活を送るために必要な行政サービスを提供の場であります。

市民の安心、安全で暮らしやすいまちづくりに貢献するのが公共施設ではないでしょうか。

公共施設再編計画基本方針で委員長はあいさつで「公共施設を今まで通り、維持し、また、今まで以上に充実してほしいと考えることはおかしいことではありません」しかし、この考えは切り替えてください。と言っています。市民が公共に求めてはいけないのでしょうか。それはおかしいことなのでしょうか。市民生活を守り充実するよう、行政の中身を財政という数値を通してしっかり把握し、問題点や限界を明らかにするとともに、改革に向けた計画は大事なことであります。 

どのような視点で公共施設再編を進めていくのか伺います。

 生活保護水際作戦

 生活保護の門前払いを強める生活保護改悪法案と生活困窮者自立支援法案が国会で可決されました。

 すでに強行された生活扶助基準の引き下げとともに「社会保障を個人と家族の責任だとする『社会保障解体』の象徴であります。申請書類の提出を義務付ける規定は、さまざまな条件を付けて申請を受理しない「水際作戦」を合法化するものだと思います。

 扶養義務者への調査の強化や、扶養義務を果たしていないと判断した場合の通知の義務付けは、保護開始の要件でない扶養を事実上強いるものです。

厚労省は、「申請者の受給権を脅かすことはない」といいますが、参院厚生労働委員会での日本共産党小池晃議員の追及で、各地の自治体が法違反の通知書や調査書を生活保護申請した人の親族に送りつけて保護の締め出しをはかっていることがわかりました。

 この通知書には、保護にあたっては「扶養義務者の扶養(援助)を優先的に受けることが前提」などと生活保護法に反する記述がされ、調査書では、親族の収入や資産、勤務先などの報告を求めています。

 これらの文書は、自治体の生活保護システムを作成している北日本コンピューターサービス(本社・秋田市)が作成したものです。

鎌倉市ではどうなのか。伺います。

 鎌倉では相談者が来庁しても申請書類や説明文書も渡さない実態があるのではないでしょうか。適切な対応を求めるものです。生保の相談件数は何人か、その中で申請者は何人か、申請者のうち、生保につながった人数を伺います。

 後期高齢者医療制度について

 後期高齢者医療保険制度は、病気になりやすい75歳以上の高齢者を一つの保険制度に囲み、高齢者人口と給付費が増大すれば、保険料負担が増大する制度です。高齢者に、給付減か負担増かを強制する過酷な制度として、国民の批判が絶えません。

さて、26年度は2年に一度の保険料改定時期であります。神奈川県広域連合の財政安定化基金の残高は25年3月末現在で、約59億5,100万円と聞いております。広域連合として基金の取り崩しを行い、保険料の値上げを押さえるよう、市として広域連合に要請したのか伺います。

介護保険制度から予防介護を縮小

 政府は介護保険制度の改定法案で要支援1,2の介護予防支援を受けている人の6割をしめる、デイサービスの「通所介護」、ヘルパーによる「訪問介護」サービスの廃止し、自治体が実施する「総合事業」に置き換える方針です。しかし、受け皿となる「総合事業」を実施している保険者は44、利用者は677でしかないのです。保険給付を受けている134万人に対し、この程度の実績で同じサービスができるはずがありません。

さらに、市町村窓口で「要介護認定を受けるか、認定を受けずに市町村による総合サービスを使うか」という振り分けを行う事まで考えています。生保での水際作戦が問題になっていますが、介護保険利用申請者を窓口で「総合事業」に誘導し、要介護認定者締め出す新手の「水際作戦」です。

総合支援事業についての取り組み実態と、介護から要支援1,2がサービスから外された場合、今まで通りのサービスが受けられなくなると思います。市として現状の要支援1,2認定高齢の介護サービスを廃止された時の問題点についてどうお考えか伺います。

 厚生労働省によると、なんらかの認知症を有するが、日常生活はほぼ自立している日常生活自立度1以上の認知症だと判定されたのは、要支援1で43.2%、要支援2で53.6%にのぼっており、何とか現在のサービスを受けながら自宅で生活しています。軽度者を切り離すのではなく、介護予防に力点を置き、重度化を防ぎながら生活を支えるきめ細かいサービスが必要ではないでしょうか。市として、高齢者の生活実態、要支援者の実態を把握し、安心して暮らせるよう独自支援も含め検討する必要があると思いますが、お考えを伺います。

 さらに「要介護1,2」の人が特別養護老人ホームに入所できなくなる点です。

日常生活自立度1以上の認知症だと判定されたのは要介護1では89.1%、要介護2では87.2%と非常に高く、要介護3以上は軒並み9割を超えています。

特養ホーム待機者は全国で42万人、鎌倉市でも2013年10月1日現在約700人が入所できずにいます。要介護1,2の入所希望や入所実態について伺います。

 また、同時に特養ホームの計画的な増設が必要です。山崎方面に27年度1カ所開所予定ですが、特養ホーム増設について、今後の方針について伺います。

 高齢者保健福祉計画について

 高齢者保健福祉計画27年度からの見直しに向け、高齢者対象者アンケートの実施や審議会での論議が行われていると思います。元気高齢者施策等高齢者施策についてどのような論議がされているのか伺います。

 その中で27年から29年までの3年に一度の介護保険料の改定が行われます。

2000年(平成12年)の介護保険制度導入時と比べ、高齢者の収入は厚生労働省の国民生活基礎調査によると23年と比べ19万9千円の減収ですが、保険料は基準額で年額31920円から54024円と1,7倍の負担増になっています。次期保険料改定で保険料の値上げを押さえるため、基金の取り崩しやさらなる保険料階層の拡大を図るよう求めるものですが、見解を伺います。

 次に、国民健康保険料との関係で伺います。

 不況で売り上げが低迷している商工業者や年金生活者などが加入する国民健康保険はサラリーマン等が加入する医療保険と比べ、同じ収入でも保険料が高いのが実態です。国民健康保険加入世帯数と、滞納世帯数とその割合い、そのうち、短期証発行数と保険料収納効果について伺います。

この間一貫して、保険料の値上げを押さえるよう、一般会計からの繰り入れ増を求めてきましたが、新年度においての保険料の抑制効果を伺います。

 障がい者

 障害者総合支援法により重度訪問介護を受けていた障害者が、介護保険優先原則(同法7条)により、65歳になったら、介護保険の適用に切り替えられ、1割負担を強いられたり、必要なサービスが受けられなくなるのは生存権や平等を保障した憲法に違反していると、岡山市在住の身体障害者(1級)が市を訴え裁判をしていると報道されました。

障害者の大半が貧困状態にあり、65歳で収入が増えることはほとんどありません。親の高齢化や死去で公的なサービスの必要度はむしろ高まります。

介護保険と障害福祉施策では、利用料の自己負担のあり方だけでなく、給付内容も異なります。同じ岡山の視覚障害者の方は月41時間の家事援助と50時間の行動援護の給付を利用。「65歳で介護認定を受けたら要支援1か2にしかならず、必要な介護給付を出してもらえない。岡山市の場合、要介護5でなければ、障害福祉施策の上乗せをしない。不合理だ」と改善を求めています。

 介護保険優先原則は本来、障害者福祉施策の給付と同等以上の介護保険給付が保障されている場合に限るものだとおもいます。

 そもそも介護保険は認定や給付が不備で、更に要支援の介護外しなど改悪がねらわれています。その欠陥だらけの制度を高齢化する障害者に押し付けるのが、介護保険優先原則です。

 鎌倉市での実態と対応について伺います。

 元気高齢者政策について伺います。

 市長は2期目の選挙で「健康長寿」について公約されています。市長は26年度予算や次期実施計画において、「健康長寿」の鎌倉をつくるためどういう方針で臨み、何を重視したのですか伺います。

 今回の予算、実施計画で「高齢者割引乗車証等購入費助成」を凍結するとしました。今までの説明では元気高齢者施策である、優待制度については生きがい対策関連事業との選択性も含め検討するとしていました。優待制度は議会での陳情も採択されており、高齢者の外出支援につながり、「健康長寿」につながる施策ではないでしょうか。しかも、次期高齢者保健福祉は現在検討中であります。市長も「健康長寿」を公約していますが、高齢者割引乗車証等購入費助成をどういう理由で凍結したのですか。包括予算が原因ですか。高齢者の生きがい対策の在り方についてどこで、どういう検討がされたのか。伺います。

 「健康長寿」

 長野や小浜市の食育、城南市の地域ごとの目標をもった健康づくりなど先進事例を紹介してきました。全国の健康長寿の取り組みから学び、結果として医療費や介護など重症化を防ぎ、安心して暮らせる「市民健康づくり」を全庁的な規模で取り組むよう、鎌倉らしい積極的取組を求めたいと思いますが、見解を伺います。

 特定健診事業やがん検診等の取り組みにおいて、検診料や利用料の値上げは「健康長寿」の取り組みをどういう関係があるのか、受診率が向上しない理由は何か、パート、派遣で働く市民の健診等の実施実態についてどう把握しているのか、伺います。

 「歴史と文化を生かしたまちづくり」

 昨年、世界遺産登録が一旦白紙に戻りました。イコモスから指摘された諸課題を含め、よりよい歴史文化を生かしたまちをめざす上で、将来に向け夢あるビジョンを示し、市政と共に進めていく、その決意を示すのは、まさに“今でしょう”と思うのであります。

今更ながら強く思うところであります。

実は、2年前の平成24年9月議会で「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」通称「歴史まちづくり法」を活用したまちづくりに挑戦することを提案しました。世界遺産登録がどういう結果になろうとも重要な課題ではないかという思いからです。

文化財、まちづくり景観部の両部長から、市長からも研究していきたいとの前向きの答弁をいただきました。

そして、新年度予算案にはじめて関係予算がけいじょうされ、3カ年の実施計画にも位置づけされました。

大変うれしく思っています。

先日、市民関係団体主催のこの「歴まち法」勉強会に市緑政審会長職務代理の越沢先生 実は国の都市計画法、古都保存等の審議会会長を歴任され、特に歴史的風土部会長の時、古都保存の全国展開の方向を打ち出し、歴史まちづくり法の生みの親とも云える方ですが、この越沢先生に講演をお願い致しましたところ、立見の人も出る盛況で、市職員、同僚職員もたくさん参加していただきました。

市民の関心もだんだん広がりつつある中、この取り組みが鎌倉の歴史と文化のすばらしさをしっかりと生かし再度挑戦することになると思いますが、世界遺産登録にむけての下支えになるかも知れませんが、市民との共同で、この取り組みがすすむよう努力をお願いするものです。

そこでまず質問ですが予算上では検討のための委員会設置が予定されていますが、多様な展開が予想される歴史的風致維持向上計画策定にむけて、組織体制をどの様に考えているのかについて伺います。同時に人材、人員の確保が重要です。歴史、文化財、都市計画、公園、緑、交通、産業等、多様な施策を組み立てるわけですから、新たな観点からの業務であり、人材、人員の確保は決定的に重要ですがどの様に考えているのか伺います。

 京都市も奈良市もこの法に基づいた計画が認定され、事業展開していますが、京都市では市街地の町屋などを中心としており、古都保存法と上手に棲み分けをしています。

鎌倉のまちづくりの骨格は三方の山々と南は海に、鶴ケ岡八幡宮から海にまっすぐのびる若宮大路が中心となっていて、この都市構造は鎌倉時代を引き継いで大きく変わってはいません。しかし街並みはほとんど新たに建てられたもので、その中には景観重要建築物に指定されているものが点在している状況です。このように金沢市の伝統的建造物群の茶屋町や寺町、あるいは京都の町屋のような街並みは現存しない状況です。

鎌倉は中世の幕府としての都市形成以降、歴史は明治期まで飛んで近代の別荘文化へ移行していることから、文化財行政も中世を中心としており、近代は景観行政の中で行われてきました。

 越沢先生も講演の中で鎌倉時代だけでの法の適用は難しいとの指摘されていましたが、この点どの様な歴史の観点に立っての設置計画を考えているのか伺います。

着実な施策展開には予算面の対応が鍵になります。包括予算制度の中で各部の予算枠の中では対応は困難ですが、この点どの様にお考えなのか伺います。

これから計画策定という段階ですので、今後進捗状況を見ながらお聞きしますが、人材、人員を含めた体制をしっかり作り、市民、関係者の意見を聞きながらよりよい計画の策定を要望するものです。

 <防災とまちづくり>

 東日本大震災と原発事故から、まもなく3年です。あの甚大な被害は、私達に多くのことを教えました。それは、人間の価値観、ものの見方や考え方、社会や政治にまで目を向けさせました。災害に強いまちづくりは、全国の自治体の大きな課題になりました。避難生活している人達の復興住宅もまだまだ不十分な状態のまま放置されているのに、「防災、減災に資する国土強靭化基本法」等が制定されましたが、経済効果に直結する事業が優先されるという歪んだ状況が見られることは極めて問題であると思います。この点は、深沢の国鉄跡地の土地区画整理事業で若干ふれたいと思います。

 津波対策は、この3年間、緊急に整備すべき情報伝達の防災施設の建設、海抜の路面表示や電柱への表示、津波ハザードマップの作成等が取り組まれましたが、その点で目標とすべき点のどのくらいの達成率で、残余の予算についても伺います。

 

昨年暮、首都直下型地震検討の最終結果が報道されました。30年間に70%の確率と言われていますが、3.11以後、明応型、慶長型に南海トラフ、南関東型など、様々に報道されるたびに、市民の間には、今、何を基準に、必要な備えをしたらいいのかという事が少なくありません。

 高齢化も進んでいる本市の状況を踏まえ、少なくても現時点で備えるべき目標をわかりやすくきちんと示し、必要な情報を提供する必要があると思うがどうか。

 

近い将来に大きな地震が想定されている南海トラフについて、名古屋市は、国の想定を踏まえ、県が公表したデータを基に、市が把握している地盤、地形など詳細なデータを加えて、独自の想定を行った結果、県が発表した面積の4倍の市域の24%が浸水、30㎝以上では5倍、1m以上ではさらに膨れ、海に面する港区では66倍との予想を発表しました。

 南海トラフは、S19年東海地方を中心に死者1,223人が出た東海地震を繰り返し引き起こしていますが、このような独自調査は、人的、物的被害を最小限にとどめる上で重要です。特に、本市は多くの観光客が来訪する特殊性などからも、こうした独自の詳細な想定が必要かと思いますが、いかかでしょうか。

 

4つ目は、津波火災についてです。東日本大震災での火災は、371件にのぼり、そのうち津波によるものが43%の159件で、八戸から千葉県旭市に至る610キロの範囲で、159件起き、延焼面積は、甲子園球場の20個分の78.4ヘクタールということが日本火災学会の調査で明らかになりました。

 出火原因は、①壊れた家屋、②ガスボンベ、③自動車と言われ、神戸大の都市安全研究センターの北後明彦教授は、「周りが浸水し、ろう城を強いられる津波避難ビルの防火対策は新たな課題だの、火災を想定した避難誘導も考えなければならない。」と指摘しています。

そこで具体的な例として、伺いますが浸水想定域の範囲でプロパンガス、LPガスを使っている区域、あるいは戸数などは把握されているのでしょうか。

長谷や由比ガ浜、稲村ガ崎駅周辺など、結構都市ガスが入ってないところが結構ありますが、どうでしょうか。

こうしたことを含め津波火災対策について、伺いたいと思います。

 5つ目は、防災の観点からの土地利用のコントロールの必要性について、首都直下型による人的、物的被害想定は想像を絶するものがあります。

19年前の阪神大震災は、人とモノが集中するまちが、いかに自然災害に脆弱であるかを端的に示しました。

鎌倉は、それでも土地利用への一定のコントロールのもと、建物の高層化、過密度化をそれなりに抑制してきましたが、問題がないわけではありません。

そこで、ハザードマップに基づく安全性の総点検、崖地の防災対策の未着手箇所の問題点と解決にむけた取り組み、さらには危険区域での土地利用の規制 

などに真剣な取り組みが必要であると思いますがいかがですか。

 この点で地域防災計画第24章第1節で津波に強いまちづくりの中で関係部局による共同の取り組みについて、述べていますが、具体的な目標や取り組む課題について伺います。

 この課題の最後に、公共、民間を問わず浸水区域内の施設等について方針が述べられています。課題になっていた稲瀬川、材木座の両保育所については、方向性が具体化しましたが、民間の老人施設は数か所あり、中長期的課題ではあるが検討を開始すべきではないか。特に深沢の国鉄跡地の事業用地という格好の土地もあり、施設経営者と、中長期になったとしても話し合いを開始するなどの取り組みが必要と思いますがいかかでしょうか。

開発とまちづくり

 都市計画法による開発審査事務の不適切な処理が明らかになった問題で昨年の代表質問でもとりあげたところですが、その後、関係職員の聴取を経て、昨年10月末、戒告4人、厳重注意6人、注意3人計13人に懲戒処分及び行政措置が実施されました。

我が党は当初から住民とともに取り組んだこともあり、13人もの職員が関わりながら何故市民の信頼を失うようなことを引き起こしたのか、しかも、住民や我が党が指摘しても、率直にその誤りを認めず、別の論法をもち出して、これを合理化しょうとしたことは絶対に許すことができないのであります。

市長はその原因について現場調査が不十分、認識が不足していた。また、部局間の意思疎通が欠けていたと、言いましたがそんなに単純ではありません。

13人もの職員が関わりながら、何故気付かなかったのか、何故是正しょうとする力が働かなかったのか、厳しいようですが、ここをこえなければ同じ誤りを繰り返さないことにならないし、教訓も生まれません。

原因と今後に向けての基本的な考えを伺いたいと思います。

鎌倉山2丁目の自己用住宅建設による、法令、条例の一部が適用除外になった例についても、ある種の共通した姿勢があるように思われてなりません。

一言で申し上げればいわゆる“仕事”になっているのではないか、ということであります。何年か前、この代表質問通じて触れたことがあります。知事の開発の許可権限をどういう目的で鎌倉市長に移譲を受けたのか、こういうことが忘れ去られ、単なる仕事の一つになっていないか。よりよいまちづくりをめざす職員一人一人の、また組織としての姿勢意欲が同じ条例、法令のもとでも生きた指導、生きた審査につながるものです。

12月に工事が完了してから1ヶ月半、今もって自己用住宅の建築申請もありません。業界筋ではいろんな話が広がっているようでありますが、市長はこの現実をどのように受け止めていますか。

さらに、審査時に法令の適用除外となる客観的事由の証明を求める上で、例えば事業の資金計画の提出を求めるなど、すべきではなかったでしょうか。

市長もいろいろ要請等しているようですが、脱法を許さない立場で、最後まで貫くうえで、どうされようとしているのか、伺いたいと思います。

 次に市街化調整区域の土地利用についてです。市長も緊急的課題と考えておられる様です。これまでの検討の状況と見通しについて伺います。

岡本二丁目開発問題の解決にむけての協議が行われています。何より法に反する開発許可によって、奪われた住民の通行権、生活権の回復は最優先で取り組むべき課題であります。折にふれ、この2年間に3度にわたって市長に申し入れを行ってきましたが、新年度には協議で得られた合意点を土台に、住民の安堵の声が聞かれるよう最大限の努力を強く求めるものですが、いかがですか。

 深沢地区土地区画整理事業について伺います。

 同事業は平成26年からいよいよ本格的にスタートしょうとしていますが、昨年実施されたパブリックコメントで寄せられた貴重な市民意見はほとんど省みられることもなくて、通過儀式のように扱われていることが極めて残念であります。

それに、この寄せられた意見数にあらわれているように、市施行の事業として後にも先にも例がないほどの大型開発で、公費の支出額や地域へ与える甚大な影響の割には、十分知られていないことです。この状態で計画が確定し、進んでいいのかとの思いを強くするものであります。

先ほどの防災のまちづくりの項で若干ふれましたが、3.11のあの甚大な被害からの教訓がどう生かされているのかについてです。

全事業の50%に最高31mの商業と業務のビルと一部戸建300戸強もありますが中心はマンション群で700~800戸3000人をこえる人口増がみこまれています。

商業施設は玉縄のコーナンの全敷地より1haも広い5haで公的資金を投じて人と機能をいっそう集中、集積させることは防災上も新たな危険を生み出すことになります。

「ウェルネス・健康生活拠点。深沢」の将来像にふさわしく低層で広い公共空間が保全され、落ち着きのあるまちをめざすべきではないでしょうか

この様な人と機能を集積する計画の背景には、新駅設置があることは明らかであります。

しかも新駅設置の絶対的条件の乗降客数の確保の上で、深沢の土地利用による人口増に大きく依存していることは、これまでの各種資料で明らかでありませんか。答弁を求めます。

 また、この計画は新駅ができてもできなくても、どちらでも対応できると説明していますが、新駅が不可の時、3100人の人口増による交通需要をどの様に考えているのか伺いたいと思います。

 シンボル道路の幅員20mとしているがわずか700mで行き止まりの道に、若宮大路並みの道路が必要なのか伺いたいと思います。

 シンボル道路幅を18mから20㍍にかえたのは藤沢との「連動性」を理由に挙げていますが、藤沢市は新駅を前提として進めているのであり、答えは明瞭であるとおもいますが、どうですか。

 また、防災のところで触れた浸水予想区域内の高齢者施設を安全な場所への誘導策についてですが、中長期の問題とも思いますが、落ち着いた土地利用を進める中で、みどりのオープンスペース、広場等の位置づけの中で、受け皿となれる用地の確保も考えるべきではないでしょうか。

また、大きな財政支出を伴う新駅には関与しないことを求めるものであります。

 地域経済

循環型地域経済の振興をすすめ元気な地域経済をめざす取り組みについて質問いたします。

昨年、鎌倉商工会議所さんが商店街連合会と協力しあい、また鎌倉市も支援して、取り組んだ「プレミアム商品券」事業はやや苦戦した面はありましたが、プレミアム4000万円を含む4億4千万円が市内で循環し、市内の経済振興に貢献したことは画期的な取り組みだったと思います。

今年も市の支援のもと、4月から第2回目の取り組みが始まる予定とのことです。昨年の経験と教訓を生かし、より大きな成果が得られる様、期待するものであります。

 2カ年事業としてスタートした住宅リフォーム助成事業が今年度で終了が予定されていたところ、昨年12月議会で事業の継続を求める陳情が採択されたことも力になり新年度予算に継続して事業費が計上されました。この事業は3年半前、私達党市議団が大きな成果を上げている宮古市を視察したことがきっかけとなりましたが、2カ年で109件、助成額約600万円で工事費用が9千万円を超え約16倍の経済波及効果をあげ、市内の経済活性化に貢献することになりました。3年目となる新年度はさらに制度のPRを行い、実績いかんでは予算枠の拡大も視野に取り組むことを要望するものですが、いかがですか。

さらに国交省は3カ年の事業として「長期優良化リフォーム推進事業」の名で補助事業をスタートさせるとしています。

14年度予算と13年度補正予算合わせて50億7千万円を予算化するとのことで、「先導的な取り組みとされ、市のリフォーム制度とは違ったハードルの高いものと感じられますが、国交省は「地域の工務店も工事できるように申請の簡略化も検討している」と説明しています。本市にとって取り組みが可能なものであれば、リフォー事業と一体で取り組むことも視野に調査もお願いしたいと思いますが、いかがですか。

 さらにもう一つ提案したいのは、商店版のリフォーム助成事業についてです。

群馬県高崎市は人口34万人の中核市で、3年間の予定でスタートした住宅リフォーム助成は3500件の申し込みで1年延長で新年度も実施するとのことであります。あわせて中心市街地の空洞化を食い止め、郊外の集客施設から人を引き出せるような魅力ある町づくりをしょうと2人の産業政策課職員が3ヶ月間商店をまわって聞き取り調査を実施し、政策化して、そして「まちなか商店リニューアル助成制度」25年度から3カ年計画で立ち上げました。初年度の25年度の1年間で738件助成総額4億4千万円で10億円を超える経済波及効果、受付初日は108件の申し込みがあり、当初予算の1億円を3週間で突破し、まちのお店と地域に元気と明るさを与え、循環型地域経済の振興に大きな成果を上げています。

全国的にも先駆的なこの取り組みを是非視察し研究し鎌倉にあったかたちで、元気なまちづくりに取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 公共工事などの契約にかかる労務単価と公契約条例の制定について伺います。

国は昨年3月29日に「平成25年度公共工事設計労務単価の平均15%引き上げ4月1日の契約から適用するよう決定しました。

これは設計労務単価公表を始めた1997年以降初めて2ケタの大幅引き上げとなりましたが、こえが確実に技能労働者の賃金引き上げと社会保険加入促進につながるよう業界や公共、民間発注者宛に要請書も出しているところですが、本市発注の対象事業においてどのような取り組みが行われたのか、まず伺います。

さらにそれが実際に労務費として支払われているのか、そのような確認はどうなるのか伺いたいと思います。

国交省はこれらの実施状況とともに、現場技能職者の賃金水準の実態調査の実施のため、各地方整備局に相談窓口の専用ダイヤル「新労務単価フォローアップの相談ダイヤルを6月に設置していますが、市としても発注元として同様の対応が求められると思いますが、いかがですか。

消費をうながし購買力を高め地域経済の活性化という点からも重要な課題であり、また、技能労働者の不足が問題となっている点からも重要です。

この点で最近、保育園建設など、住民生活に直結する建設工事の入札不調が全国的に問題になっています。本市でも複数入札不調がおこりましたが原因をどの様に認識しているのでしょうか。

今回の労務単価の引き上げを確実に労働者の賃金につなげる確実な方法は、元請けに適正な賃金を支払うことを義務付ける制度をつくることではないでしょうか。そうなれば重層的な下請け構造からおきる、いわゆる「中抜き」を是正することにつながります。

産業

この夏、ようやく腰越漁港の整備が完成の運びとなり台風時の安全確保や沿岸漁業の振興、漁業経営の安定化に大きく貢献することが期待されているところであります。

基本計画より取り組みがいよいよはじまった鎌倉漁港建設は○○今期基本計画の計画期間中に、操業の安全確保や環境整備に○○一定の成果が期待されているところであります。

計画の推進の上で26年度の予定事業は事業の成否に関する鍵ともいえるものですので、関係機関や地元関係者との十分な協議、調整に全力をあげていただきたいと思いますがその決意と見通しについて伺いたいと思います。

 エネルギー、省エネ、自然エネルギー問題

 ごみ問題について

 今回、家庭ごみ有料化と事業系ごみの値上げをする条例が提案されました。

市長は2月1日から4日まで行った市民説明会で、戸別収集は反対が多い、だから戸別収集と有料化を切り離し、有料化だけを10月から実施するとしました。

 市長は戸別収集有料化で3500トン減量する根拠を藤沢市などの例によって説明しています。鎌倉市の資源物はまだ燃えるごみの25%も含まれているが、藤沢市が有料化で資源物混入率10%以下になったから、鎌倉市はもっと減るのだという説明です。

1月末の審議会に、はじめて資源物の市民協力率の内訳の数字が出されました。燃えるごみの中から3500トンの資源物を減らすということは資源物協力率90%ということになります。市の資料によると、段ボールは95%、ペットボトルは94%であり、目標達成しています。

植木選定材は88%、ミックスペーパーは73%、雑誌、古本、ボール紙等は84%、新聞紙は83%と高い協力率であります。分別協力を90%まで引き上げたとして4品目で減量は1130トンです。

分別協力率がよくないのは容器包装プラスチック59%、布類46%、紙パック30%であります。何故分別が進まないのか。紙パックは200ミリリットルなど小さい容器が多くなってきており、切り開いて、洗って分別するのが困難ではないでしょうか。布類、容器包装プラスチックが何故少ないのか。それぞれに原因があるのではないでしょうか。すべてを90%の目標にしたとしても3417トンにしかなりません。数字合わせではないでしょうか。見解をうかがいます。

 

 さらに今回、戸別収集・有料化を切り離して、有料化実施だけでどのくらい減量しようとしているのでしょうか。

2月の説明会資料では「戸別収集・有料化」で3500トンの削減をすると説明していますが、どういうことでしょうか。これも数字合わせというほかありませんが、有料化で3500トン減量の根拠は何ですか。見解をうかがいます。

 有料化について市の説明では「ごみを減らした人は費用負担も減るので、減量を意識することになります。また、ごみ処理経費の負担の公平化が図れます」と説明していますが、本当にそうでしょうか。鎌倉市のリサイクル率は47%であり、戸別収集モデル地区のアンケート調査結果でも戸別収集で「ごみ量はかわらない」と76,8%の方が答えています。8割近い方が分別・減量化に貢献しているのです。負担の公平化と言っていますが、市民の協力で全国トップクラスの減量化を行っている市民に受益者負担を課すだけではないですか。見解をうかがいます。

 有料化でごみが減るのでしょうか。

鎌倉市で戸別収集・有料化のモデルとしていた日野市では、実施後30%台まで減量しましたが、それ以上は減っていません。減量したのもダストボックスの撤廃などを同時に行った結果ではないでしょうか。これ以上の減量化を進めるためには、生ごみとプラスチックの分別資源化だと今、取組をすすめています。町田市でも残りは生ごみの減量だと、市民への協力も得ながら、市として生ごみの資源化施設の検討を行っています。

有料化を実施せずに、分別対象品目を細分化して取り組んできた立川市では細分化すると同時に資源化率が上がってきたのです。市民の協力を経て着実に進めてきた結果、日野市と変わらない資源化率になっています。

つまり、ごみ減量の最大の効果は市民の協力を得ながら、ごみの減量と資源化促進を訴えること、分別資源化のシステムを確立することにあるのだということをこれらの自治体、鎌倉での実態が示しているのではないでしょうか。見解をうかがいます。

 また、家庭系の有料化は拡大生産者責任を後景に追いやることになります。

ごみ問題は大量生産・大量廃棄・大量消費の仕組みを改善しない限り解決しません。

地方自治体と住民は川上からのごみを川下で処理せざるを得ない状態なのです。

さらなる減量化資源化のためには3Rの前に「発生回避」を加えた4Rの実行が必要です。

使い捨て容器から繰り返し使える容器への消費者の意識改革が、ごみ減量、資源を守るためにかかせません。

同時に日野市では自治体だけでは、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済の一方の主役である「生産者」に対する働きかけが困難であることもまた事実であり、国レベルでの「拡大生産者責任」の強化策を強めていく必要があるとして、ペットボトル1本あたりのリサイクル費用の事業者負担が30%に対し税金での負担が70%であること、プラスチックトレー類については、1㌔あたり事業者負担34%に対し税金負担が66%と自治体の容器リサイクル費用負担が事業者負担に比べて格段に重いことを示し、「拡大生産者責任の追及」の必要性を強調しています。家庭系ごみの有料化は拡大生産者責任を後景に追いやるものであります。見解をうかがいます。

 

3万㌧まで燃えるごみを27年度までに減らさないとごみが大変、大変と無理な減量化を進めなければならない事態が起こったのは何が原因ですか。

それは市長が今泉焼却施設を廃止する代わりに予定していた、生ごみの資源化施設をやめ、1万㌧の削減の見通しもないまま、市民事業者に分別資源化を丸投げしたことではないでしょうか。

生ごみ施設をつくらないと決め、1カ月でつくったごみ計画代替案、その案をもとにつくった23年計画はことごとく失敗。23年計画から2年もたたないのに、25年には再構築計画を作り、代替案ではおまけだった有料化・戸別収集が削減のメインになり、無理やり進めているのが今の事態ではないでしょうか。

ごみ行政の混乱を招いた原因は市長がつくったことをきちんと認め、反省の上にたって、ごみ問題での市民へのご理解・ご協力をお願いすることではないでしょか。見解をうかがいます。

 私達はごみ問題解決のため次の提案をします。

それは結果としてあまり費用対効果のない、戸別収取・有料化は中止することです。また、75%の資源化に協力している、多くの頑張っている市民に罰を与えるような有料化はやるべきではありません。

鎌倉のごみ問題の解決のためには燃やすごみの減量化・資源化のための施策を市民との協同で進めることです。

そして、燃やすごみを減らし、どうしても分別・資源化できない最小限のごみを焼却する施設を市内に建設するよう市民のご理解を得ることだと思います。

 1つは容器プラスチックの事業者へのお返し作戦の行う中で、資源物の削減とリサイクル費用の削減を行う取組を行うことを提案します。

スーパーなどの事業者とも協議し、市民が特にトレーやペットボトル、紙パックなど事業者にお返しする仕組みを作り、結果として、市の収集、運搬やリサイクル費用負担の軽減になるような取り組みの検討を求めるものですが、見解をうかがいます。

 生ごみの資源化についてであります。

燃やすごみの減量には燃やすごみの50%を占める生ごみを分別・資源化することです。

市の家庭用生ごみ処理機普及やマンションや事業所への大型生ごみ処理機設置の促進等今までの事業の促進は言うまでもありません。

と同時に町田市や日野市でも分別資源化の促進にはプラスチックと同時に生ごみをいかに分別資源化することが課題となっています。

市として生ごみを資源物として位置づけ、取り組むべきではないでしょうか。

現在燃やすごみは市の説明によると、36200トンとのことです。生ごみの混入が50%として18000トン、半分の協力率でも9000トンの減量になるではありませんか。市民に資源化協力率90%という、ぞうきんをさらに絞るような無理な分別を強いることなく、30000トン以下に減らすことができます。見解をうかがいます。

 最後に、サーマルリサイクルということで「何をもやし、何を資源化するのか」について審議会に諮問していますが、戸別収集・有料化で分別資源化を強制しておきながら、新焼却施設では資源物を燃やしてしまう、そんな理不尽な結果にならないよう求めるものです。

 今、季節を問わず、極端な天候に見舞われ、専門家は「地球温暖化対策」を急がなくてはならないと警告しています。昨年9月に公表された国連気候変動に関する政府間パネルの最新の報告書はこのまま温室効果ガスの排出がふえると世界の平均気温は今世紀末に産業革命前と比べて最大4,8度上昇すると予測しています。国際社会は上層を2度以内に抑えることを目標にしています。日本の昨年夏の平均気温は平年と比べ1,1度ほど高かったに過ぎない。上昇が2度に押さられたとして、大きな変化をもたらすことが想像される、事態は切迫しているということです。

 鎌倉市でもエネルギー実施計画を策定し、推進しようとしていますが、持続可能な環境社会を次世代に手渡していくための取り組みが求められています。

原発に頼らない社会の実現にむけた足元からのエネルギー政策の推進について伺います。

  一点目は、電力使用に係る特定規模電気事業者・PPSの導入についてです。

昨年の予算代表質問で鎌倉市の電力は、現在、主要65施設を東京電力と一括契約が、今年2月に終了することから、次期契約に際しては、電気料金の経費削減とともに、東京電力だけに依存しない電力の選択が求められていると考え、PPSの導入についての提案をしたところであります。12月議会でPPSからの電気購入が次期契約導入するとの報告があったようですが、東電との契約と比べ、どのくらいの経費削減につながったのか伺います。

 二点目は、省エネルギーの取り組みです。原発に頼らない社会を形成するうえで最も短期的かつ効果的な取り組みが省エネ対策であると思います。

 市が率先して照明のLED化や空調機器の更新に計画的に取り組み、民間企業や家庭に波及させていくことは、節電効果とともに中長期的に見た電気料金の削減にも寄与することから積極的に取り組む必要があります。昨年も伺いましたが、現在の取り組み状況と今後の計画について伺います。

 LED化では商店街の街路灯や地域の防犯灯も重要であり、先進的な地域では、蓄電機能を備えたLED型防犯灯への更新が行われていますが、今後の啓発や支援について、どのように力を入れていくのか、市の方針を伺います。

 防犯灯LED化はCO2削減による省エネルギー対策として有効であります。

現在、防犯灯改造工事は半額補助となっています。最初の設置費用は掛かりますが、LEDに切り替えることで市補助負担はLEDの交換を10年間行わなくていいので、維持経費はゼロ、電気料金も大幅な負担軽減になることは明らかです。市の財政削減、省エネにもつながることから、防犯灯LED設置補助の全額補助を実施するよう求めますが、見解をうかがいます。

 教育環境の整備について

少人数が学級の拡大を

 今、いじめ問題や子供たちが発達に応じた適切な働き賭けがされるようにするためには教員の「多忙化」の解消など教育環境の条件整備を進めることは重要なことであると思います。鎌倉市においても、小学校2年まで少人数学級を実施していますが、さらに少人数学級の拡大について、県に強く働きかけるとともに、少人数学級の拡充にむけて検討することを強く求めるものでありますが、教育委員会の見解を伺います。

実際現状では3年生で35人以下学級にするためにするために教員の増員は何人必要か伺います。

 教育環境整備で緊急を要するのは普通教室の冷房設置です。異常気象が続く中ひどいときは6月や9月まで夏日が続き子どもたちは集中して授業を受けることは困難であります。設置については関係者、保護者はじめ、多数の同僚議員一致した要望であります。市民のいのちと健康を守ることこそ行政の仕事ではないでしょうか。3年間検討ではなく、1日も早く小中学校に設置する決断を必要があると思いますが、どういう事情で3年間検討することになったのか。

あらためて 今回の実施計画で検討だけになった判断理由について伺います。

 子育て支援について伺います

 子ども子育て支援新制度が2015年実施されることになり、鎌倉でも条例制定に向け、ニーズ調査が行われ、審議会で検討がされています。

 4月入所の保育園申し込み人数、年齢区分人数、25年度申込みとの関係での比較、現在の待機児数、更に4月1日付けでの入所状況と待機児の見込みについて伺います。

 また、今後の保育園やこども園の増設計画、定員数の増員計画もうかがいます。

 新制度では「保育の必要性」「保育の利用時間が2区分」になるなど大きな変更が行われます。

先日の鎌倉保育士会の学習会では県の職員の話では「介護保険」と同じような制度になると話されました。

保育の必要性の判断がされ、フルタイムとパートタイムの2区分に保育時間が決まられ、それぞれの保護者の保育利用時間が決まると認識しました。

 まず第1の質問は子どもの発達保障に会った保育が保障されるのかについてです

子どもの成長にとって保育園での生活は、登園し、散歩や友達との遊び、昼食、御昼寝、おやつ、保護者と自宅に帰る、1日の生活の中で、様々な働きかけや友達との交流の中で育っていくのであります。今までは保育の必要性があれば、どの子にも基本的には同じ時間の保育がされていました。しかし、今度は標準時間と短時間との2区分になることで、子どもの発達に沿った保育が保障されるのでしょうか。その点について市の考えを伺います。

 第2に認定をされ、保育が必要だと判断されても、市町村は必要度が高い順に申込者を希望する保育園に割り振ることになります。受け入れる保育園が定員いっぱいでは認定されても入れない事態は変わらないのではないでしょうか。市は待機児の解消につなげるために今後どのような取り組みをするのか伺います。

 第3に保育料について伺います。

現状の保育料は応能負担となっており、低所得者への配慮が行われていますが、新制度ではどうなるのか伺います。

 子ども会館・子どもの家について伺います。

子どもの家についても 保育園の待機児が増えているのと同じように、今年度初めて定員以上入所させても待機者が生まれました。小学校区に1カ所の学童保育では足りないのではないか。増設の検討は必要ではないかと思います。見解をうかがいます。

 学童保育施設や指導員の労働環境などの条件整備は「公的責任があいまい」「最低基準がない」「財政措置が不十分」など大変立ち遅れています。その中で鎌倉市は公的に責任を持ち運営している点は評価するものです。新制度では保育園と同じように今年度中に厚生労働省令で定める基準をふまえ、鎌倉市でも条例を定める予定でしょうか。子どもの家の定員増や指導員の在り方、ニーズについてどのような検討がされているのか。伺います。

 小児医療費助成制度の拡充について伺います

 小児医療費助成事業は、市長就任前の実施計画で小学校6年生まで段階的に所得制限をなくす計画でありましたが、松尾市長の方針で棚上げにされました。さらに事業仕分けの対象にされ、行革方針では一部負担金の検討まで行われました。しかし、県内はじめ、全国で中学校3年生までの拡大などの広がりから、今回一部負担金は見送ったのであります。

子どもの命を平等に扱い、子どもを社会の宝として社会で守っていくという基本理念のもとにこの制度が拡充されてきたと認識しています。

子育て支援策の重要な柱の一つである事業を他市のように改善する考えはないのでしょうか。本来、国の制度において子供の医療費無料化を実施すべきと考えますが、国に制度の実施を真剣に迫っていく上からも、自治体の取り組みが重要であると思います。

党議員団は、中学卒業までの医療費無料化を計画的にすすめることは、安心して医療を受けられる鎌倉のまちづくりをすすめ、活力ある豊かな社会を築くための未来への投資でもあると思います。そして、鎌倉市は県内でも先駆的に制度の拡充に取り組んできた自治体であり、早期受診により重症化が防止され、結果的により医療費を抑制する効果が発揮されてきたと思います。

中学校3年生卒業まで対象年齢を拡大するよう改めて検討を求めるものですが、市の見解を伺います。

 鎌倉の経済界を代表する商工会議所の新会長になられた久保田さんは会報新年号の中でこう述べておられます。

「我々中小零細企業経営者の実感は景気がよくなった、あるいはデフレ脱却に向けての着実な回復傾向を肌で感じるというより、消費税など増税後の売り上げはどうなるのだろう、増税分のスムーズな転嫁はできるのかなと、不安感の方が強かったというのが本音ではないでしょうか」と述べています。

今、家計消費や設備投資は低迷し、ピーク時に比べて国民所得は70万も減っています。鎌倉もどうようであります。

この様な経済情勢のもとで、消費税増税で8兆円、社会保障の負担増・給付減をあわせれば10兆円という史上空前の負担増を強行すれば、国民の暮らしに大打撃をあたえ、日本経済を壊し、財政も共倒れという「悪循環」の引き金を引くことになることは、明らかではないでしょうか。

消費税大増税の一方で、巨大公共事業に、巨額の税金が投入されようとしています。

市の税収が伸び悩んでいることは事実です。しかし危機とか、夕張のようになるなどというのはあまりに市財政を正確に見ない議論であるとともに、結局、市民負担増を合理化し、福祉削減に道を開くことになります。

市の市税が伸びないのは何が原因か、市民に責任はありません。3位一体改革として、国県の補助金削減、税金控除などの廃止や給与削減、商店や製造業の不振によって市税の減収をうんでいるのです。

元気なまち、安心・安全なまち、暮らし続けられるまち鎌倉をどう持続、発展させるのか。

夫々のまちにはそれぞれの歴史があり、自然条件、人口、産業構造、地域問題を異にしていて、地域の個性に対応した財政運営がなされています。一律マイナスシーリングをかけ、一律の基準を機械的に当てはめて判断するべきではありません。

市政の役割は地方自治の本旨である「住民が健康で文化的な生活を送るために必要な行政サービスを提供することにあります。最後にもうしあげ、登壇しての質問を終わります。

 

 

 

 

 

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