市議会は9月議会最終日の10月3日、「家庭系ごみの個別収集・有料化の実施見合わせを求める決議」を賛成多数(賛成16、反対9)で議決し、市が来年7月から実施予定の戸別収集・有料化全市実施計画に”待った”をかけました。 それでも市長は12月議会に有料化等の条例提案を予定しており、動向を注目していく必要があります。
10億円もの市民負担! 効果は期待できず
鎌倉の焼却施設は27年度末に名越一カ所になることが10年前に決まっていました。その為、約1万トンの焼却量を削減する必要があり、焼却施設に代わり、焼却ごみの50%を占める生ごみをエネルギーに変換する「メタン発酵施設」計画をすすめていました。
しかし、4年前、新たに就任した松尾市長はこれに代わる方策もないままにメタン発酵計画を独断で廃止したことが今のごみ混迷の原因です。あと、1年半で今泉の焼却施設が利用できなくなります。 そこで急浮上したのが戸別収集・有料化なのです。 ごみ審議会である委員が「絞ったぞうきんをまた絞るようなもの」と発言しましたが、減量目標1万㌧のうち、戸別収集・有料化で3千5百㌧減量することは不可能です。 しかも、戸別収集で5億2千万円、有料化で4億5千万円計約10億円、1世帯当たり、1万3千円もの負担が重くのしかかります。
10年後は 資源物も焼却? そんなバカな!
市が6月に決定した新焼却施設構想では「高効率発電」を過大評価し、現在のマテリアルリサイクル(分別して資源化すること)を減らし、焼却の際に発生する熱エネルギーを回収・利用するサーマルリサイクル(燃やしてしまうこと)方式を検討すると方向転換しました。 仮にサーマルリサイクル方式を採用した場合、大量の焼却物を確保しなければ効率的なエネルギー回収は困難で、市民によるごみの分別の努力が無駄になる可能性が高くなります。これまでの市の姿勢とも矛盾するのです。このような状況の中で、市民に対し家庭系ごみの戸別収集・有料化を求めることは、大きな混乱と不信を招く事態になることは明らかです。
解決は「ゼロ・ウェイスト」を原点に
いまごみ問題で大切なことは、本市のごみ処理の基本理念である「ゼロ・ウェイストかまくら」の原点にたち返り、3Rを推進し、廃棄物の焼却や埋め立てによる最終処分量を限りなくゼロに近づけることに本気に取り組むこと。生ごみの資源化施設の再検討、さらなる分別・資源化を進めることがごみ問題解決に道を開くことになると思います。 党議員団は市民みなさんとご一緒に、また議会内でも共同して、ごみ問題解決のために力を尽くします。(市民ニュース10,11月号)