東日本大震災を受け、津波の浸水予測を再検討していた神奈川県は、このほど、鎌倉市で最大波高14・4mなどとする素案を発表しました。
一般質問に立った赤松議員は、「被害想定地域の大幅拡大による新たな対策」などについて、具体案を示しながら市の取り組みをただしました。
津波浸水域、鎌倉中心街全域に
質疑の中で明応地震、慶長型地震の最大規模の津波発生で、浸水想定地域が、これまでの35自治町内会の地域から54町内会に広がり、対象人口も3万7千人にのぼることがわかりました。
各地域で取り組まれた避難訓練は大事な取り組みです。この経験を生かし、避難場所・避難建築物の拡大を要望するとともに、学校区単位などの、きめ細かい避難マップの作成を要望しました。
さらに、海抜表示板の増設と設置場所の拡大を要求しました。
GPS波浪計の設置、橋梁などの安全対策を
沖合20キロに設置され、波浪状況を迅速に発信するGPS波浪計は全国に11カ所設置されていますが、相模湾には未設置です。
赤松議員は国に設置を要求するよう提案し、市長も約束しました。また、市管理の212の橋と、12カ所のトンネルの安全点検や対策を強く要望しました。
10キロ先の横須賀港に浮かぶ2つの原子炉
鎌倉の10数キロ先にある横須賀港。停泊する原子力空母に積まれた原子炉2基の出力は、福島原発1号機に匹敵する40万kwです。
赤松議員は、「3・11の大震災の時、大きな引き波が起こり、空母が沖に緊急避難した事実」「船底の着底まで1・2mしかなかった」ことなどをあげました。
冷却水の取水不能の時は、メルトダウンなど福島と同じ事故が予想されることを指摘し、「福島の事故は他人事ではありません。立場を越えて、市民の生命を守る為、三浦半島の首長と一緒に、原子力災害対策の強化を国・県に要求すべき」とせまり、市長は「他首長と協議して参りたい」と答弁しました。