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たかの洋一のかけある記 議会での質問等

2022年3月25日

鎌倉市生涯学習センターの再改正条例について、市長の再議により廃案に

●高野議員、再改正条例に怒りの賛成討論

3月18日に議決された議会議案12号鎌倉市生涯学習センター条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の制定について、賛成の立場で討論します。

市内に5カ所ある生涯学習センターの運営について、昨年12月議会に唐突に条例改定が提案されました。学習センターの利用区分と開館時間及び利用料の見直しなどについて、市民は11月17日の教育委員会定例会で生涯学習センター条例改正の提案が承認されたことに驚き、説明を強く求め、その後、議会中に実施されました。年明けには、「後の祭り」ですが、利用者団体へのアンケートも行われました。

市民の共通した意見は、利用者の意見をきちんと聞かず決めないでほしいという点でした。合唱やコンサートを行っている団体からは「ホールと集会室が連動した時間帯になっていない。前後準備、片付け、音合わせなど2時間では足りない。抽選で2コマ取れなければ運営ができない。今でもなかなか抽選でとれないこともあり、1コマ2時間では困る」などお困りの声が多数、寄せられました。

再議書で市は「利便性の向上のため」という理由を挙げていますが、市民、利用団体は利便性どころか、活動の制約や今後の活動継続に支障をきたす団体が数多く存在するという危機感をもって訴えておられるわけです。多くの市民は、利用団体や利用者の利便性を担保するよう時間区分の運用について柔軟な対応を求めています。一旦立ち止まり、利用団体等の意見を聞いて再検討してほしいという願いをなぜ市は聞かないのでしょうか。

12月議会の市長提案議案は、本会議で13対12の1票差での可決でした。条例可決後、多くの市民、利用団体から、関係者に何も聞かずに決めては困る、特に利用区分の変更は困るとの声がさらに多数寄せられました。その中で共通するのは、せめて利用区分は一度現行通りに戻してほしいという切なる願いでした。その声を受け止め、今議会の3月18日の最終本会議に「利用区分を元に戻す条例案」を議会議案として提案し、今度は13対11、退席1 で利用区分を元に戻す条例が議決されました。市民の方々から「本当によかった」と歓迎の声が多数寄せられました。

しかし、その後、教育委員会は本来、公開の審議が当然であり、これまでもそうしてきた生涯学習センター関連で対応を協議する議題をなぜか秘密会として行い、教育委員会の意見を踏まえ、市長は再議の提案をしたわけです。

ところが今日になって突然、教育委員会から議会運営委員会に「令和4年3月定例会・議論の要旨」という資料提出がされました。誰が要求し、どういう経過で出されたのか全く分かりませんが、よほど都合が悪かったのでしょう。秘密会で協議したことが誤りだったと認めたのかどうかを含め、こうした過程そのものが今回の再議に道理がないことを示しています。

当該資料の最後に教育委員会の反省の弁が述べられています。紹介します。「私どもの反省としては、今回反対の声を捉えて3区分に戻す修正条例となっているが、原条例の2時間枠がベストだという感覚を持ってもらえなかったということだと思う。また、令和4年度予算に対する付帯決議として、施行後半年経過した後に、利用区分に関する調査をしてほしいという決議も通っているので、その状況を踏まえて、2時間区分がもし使いにくい団体がかなりいるのであれば、考えていくということが必要であると考えている。施行後、当初の目的を達成できていないということになれば、当然柔軟に考えていく旨を議会に約束している」とのことです。

問題なのは、「2時間枠がベストだという感覚を持ってもらえなかったということ」ではなく、10月の施行から半年以上も前の現時点において、明らかに困るという少なくない声が市民や利用団体から出ている事実を正面から認識することなのです。施行後半年ではなく、施行前まで半年ある今から見直すべきということなのです。だから、条例再改正には道理があるのです。

なお、再議権は、地方自治法第176条の規定にありますが、予算執行が不能な場合や現実的に市民の生活や安全に大きな問題が起こりうるなど、特別な事情がある場合に発動するのが通常です。今回のように、これだけ議会で議論して出された議決が尊重されないなら、何のために議会があり、議会制民主主義なのか。結局、議会は首長の意向に従うしかないのであれば、議会の存在意義自体が問われかねません。そのことが一人一人の議員に問われているのです。

条例の再改正を受け、対応を協議する教育委員会を秘密会として、市民や議会に隠すようなやり方で、再議に付した経過自体が異常であり、前代未聞ではありませんか。仮に、再議が成立して市側の意向を無理やり通したとしても、このような市民軽視、議会軽視を行った事実は、結果として行政への信頼を大きく損ない、市民との間で作りあげてきた信頼関係が失われることになると思います。そのことは今回、時間がない中で18件もの陳情を提出された市民の方々の思いに反し、審査を行うことなく先送りにした議会の対応も同様であります。必ず、主権者である市民から報いを受けることになるでしょう。

私自身、怒りの感情を通り越しておりますが、以上の点を申し上げ、討論を終わります。

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