高野議員は、12月3日の市議会で、市長の政治姿勢について、行財政運営と鎌倉のまちづくりに関連して一般質問を行いました。
特に岡本二丁目(大船観音前)マンション問題の質問は、新聞報道もされるなど注目を集めました。この問題では、神奈川県開発審査会の開発許可取り消し裁決が違法であるとして、事業者が神奈川県を訴え、一審で原告が敗訴し控訴した裁判に市が補助参加(なんと原告側で参加)する問題の取りやめ等について、松尾市長の考えを質しました。
市の補助参加を取り下げ
補助参加の取りやめについて、市長は補助参加から降りることを明言しつつ、その判断時期については、「相手(事業者)もあることなので慎重に検討している」との答弁にとどまったため、十二月十五日の第一回口頭弁論前に判断しなければ筋が通らなくなることを強く主張しました。 その後、二審の高等裁判所にだす準備書面を市が新市長就任前の10月28日に提出していたことが明らかになり、関連質問を行いました。
市長は、第一回口頭弁論前に補助参加取りやめを判断することを表明し、第一回口頭弁論が行われる当日に補助参加を取りやめるに至りました。
公共施設管理者の判断
この問題を巡る根本には、市民が利用していた階段状の道路を開発区域に入れることに同意(裁量権を行使)した前市長の判断ミスがあります。
市長には、河川や道路などの公共施設を適切に管理する責務があり、公共施設管理者として市民の目線にたった総合的な判断(裁量)を行うことが求められています。
今後、市民的立場にたった判断基準を明確化するなど、この問題から教訓を引き出し、今後の開発行政にいかすことが強く求められています。
市民的立場で問題解決を
さらに、壊された階段状市道の現状復旧をどうするのか、また、開発途中になっている残地の土地利用をどうしていくのかが問われています。
高野議員は、開発残地について、市として公共的利用も含めて検討するよう求め、市長も、その方向で検討していくことを表明しました。
岡本二丁目マンション問題の解決には、今後、業者との交渉など紆余曲折が予測されますが、何よりも松尾新市長の市民的立場にたった指導力の発揮が求められています。