10月4日 9月議会が終了しました。2015年度の決算特別委員会が行われ、吉岡和江議員が共産党を代表して論議しました。決算認定における共産党の意見を載せます。委員会での審議は議会ホームページでご覧ください。
議案35号平成27年度鎌倉市一般会計歳入歳出決算他6議案について日本共産党鎌倉市議団を代表して意見を申し上げます。
議案35号及び、議案38号平成27年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計決算について、議案40号平成27年度鎌倉市介護保険事業特別会計決算については、反対、他の議案は賛成であります。
議案38号平成27年度鎌倉市国民健康保険事業特別会計決算について
27年度予算から広域への移行準備として、全医療費について県一括管理にする誘導が図られました。医療費抑制のための措置や、保険料取り立て強化につながる恐れもあります。今は一般会計からの繰り入れで保険料の軽減が図られていますが、繰り入れが無くなった場合、保険料値上げとなる可能性があります。また、市が健康づくりに取り組み、結果として医療費が抑える独自の努力が生かされるのか不透明であります。広域化は市民のためになるというより、医療費抑制策であり、国が保険者負担割合を元に戻し、低所得者がおおく加入する制度を根本から支える事が必要であり、医療費の過度の抑制につながる広域化には反対であります。
議案第40号介護保険事業特別決算について
3年ごとの介護保険料改定で前期と比べ、さらに1,15倍の保険料値上げとなり、制度当初と比べ、2倍以上の保険料です。
介護保険が始まり16年。介護保険だけでは自宅での介護がつづけられない事態なのに、特養入居基準を介護3以上に、一定以上の所得者は2割負担に、要支援1,2のデイサービスやヘルパーサービスを市町村事業に置き換えました。その準備ができないと、要支援1,2の実施は29年に先送りされましたが、保険あって介護なしです。 市の独自サービスの検討など行い、安心して介護が受けられるようにすべきであります。
議案35号鎌倉市一般会計決算について
市長は行革元年として、緑地保全基金積立やスポーツ施設基金の積み立てを凍結、事業仕分けの対象に高齢者福祉、健康、小児医療費助成制度等をあげ、多くの市民生活に係る見直しが行われました。更に26年度からすべての予算にマイナスシーリングをかけた上で、包括予算制度が導入され、これまで以上に、市民福祉が後退しました。職員を「苦渋の選択」「思考停止」状態に追い込むことになっているのではないでしょうか。
なかでも、小児医療費助成制度は小学校6年まで所得制限をなくす計画を反故(ほご)にし、一部負担金の導入の検討を指示した結果、県内自治体では中学校卒業まで年齢拡大が14市町村まで広がっているのに鎌倉市は足踏み状態です。
国の方針を先取りして、「公共施設再編計画」がつくられ、実施しています。人口が減る、税収が減る、管理費がかかることを絶対視し、公共施設の再編、縮小、公有地売り払いを進める内容です。
今市民の暮らしは平均収入が減少、年金の削減、介護保険料や国民健康保険料の値上げ等で疲弊しています。地元商工業も景気は好転していないというのが、実感であります。
その中で、市民生活を守り、応援する政治こそ必要です。
その点で市長が進める福祉や市民生活を壊すことになる行革方針、包括予算制度、公共施設再編計画は根本的に見直すことを強く求めるものであります。
職員の適正な配置について
市職員のメンタルによる休職者は県下でもトップクラスであります。
この数年間でも250を超える事務が移管されている中で、本来職員の増員が必要なところ、むしろ減員となっています。その代替えとして、非正規、アルバイトによって仕事が行われているのが実態であります。
ベテラン職員が退職し、仕事の継承がされにくくなっています。
持続可能な市役所、鎌倉のまちづくりのためにも、正規職員削減ありきでいいのか。正規職員をきちんと適切に配置し、働きやすい職場環境、仕事量の在り方など根本的に検討していく必要があります。また、防災等からも現業の退職不補充方針は辞めるべきであります。
メンタルのない、働きやすい職場づくりのため、職員削減ありきの行革方針は見直すべきであります。
歳入に関連して
歳入の本道は国県の交付金、補助金等と市民税収入ではないでしょうか。この間の歳入減の一番の原因は国県施策の影響であり、市民に責任はありません。もし、1人あたり10万円納入額が増えれば、数億円の増収となるのです。市が今取り組んでいる、収入確保策を否定はしませんが、ネーミングライツや広告収入、公有地財産売り払いに頼るのでなく歳入の本道に立ち戻る取り組みが必要です。「健康長寿」という考えがありますが、5年先、10年先の鎌倉の福祉をどうするのか、どういうまちをつくるのか。そんな論議もないまま、目先のお金のことだけで市政の方向が決まっていいのでしょうか。
昭和55年以来、第3次にわたって「保健・医療・福祉」の拠点づくりが論議され、提言が実施計画に盛り込まれていたのに、今はどこにも位置付けられていません。
深沢まちづくり計画が進められている中、障害者歯科診療や母子検診、救急医療の拠点など深沢に位置付けるようもとめましたが、市長は検討するを繰り返すだけであります。
持続可能なまちとは 市民が生まれてから命を全うするまで安心して暮らし続けられるまちではないでしょうか。
行政の役割とはなにか。憲法25条、地方自治法にもあるように市民の福祉増進を図ることが第一の仕事であります。
後期実施計画を検討している今、「健康長寿」という観点で、縦割りをなくし、市民と行政が力を合わせ、安心して暮らし、みんなが元気で暮らし続けられる方策を行い、結果として医療や、介護費用が軽減されることが大事ではないでしょうか。
首都圏直下地震による津波到達時間が10分強との変更を受け、浸水想定区域内の福祉、子育て施設の避難対策の見直しは喫緊の課題であります。命を守る点から、 公有地を売り払うだけでなく、福祉の充実を図るための政策的な公有地確保を求めます。
まちづくりについて
深沢の新たなまちづくりの在り方が問われます。
市民は福祉、健康、スポーツ関連施設を望み、広大な商業施設やマンションを望んでいるのでしょうか。しかも、スポーツ施設は鎌倉・大船体育館、坂の下プールをなくし、合築するものであり、増設ではありません。新駅は自治体誘致駅ということで、JR会社は駅設置費用・関連施設の負担はしません。村岡新駅設置に係る駅ホームや自由通路整備費約160億円強の他、藤沢側シンボル道路、駅前広場費用等の藤沢、県、鎌倉市で負担協議が行われています。鎌倉市が藤沢市側の道路やJR会社の費用を税金負担する必要があるでしょうか。鎌倉市民は駅設置の要望は出していません。鎌倉市にとって最後の広大な平地が市民の望む計画になる様、冷静な判断が求められます。財政が厳しいといっている市長がこの深沢まちづくり事業に対しては見直しの対象にしないのはどうしてでしょうか。今を生き、暮らしている市民の福祉を削る一方で、市民へ利便性や採算性もはっきりしない、新駅ありきの計画推進は問題あることを改めて指摘するものです。
ごみ問題について
市長が根拠のない、公約によって山崎バイオマス事業を中止したことから、現在のごみ問題の混迷が生じています。市長の責任は重大です。
今泉閉鎖後の代わりの施設として数年に及ぶ、さまざまな調査検討を行った結果が生ごみバイオガス化施設建設でした。
その後、下水道汚泥と生ごみとの混合資源化施設が管理や費用等の関係でも効率的で有効であると判断され、実施計画に盛り込まれ、すすめられていたのです。近隣市民のご理解がえられていれば、バイオガス化施設は28年度には完成し、ごみがあふれるということはなかったのであります。
市長の減量化案はことごとく失敗したことは周知の事実であります。有料化で3千数百㌧減量したといいますが、27年度末に30000万トン以下にならず、あふれた燃えるごみは他市で焼却をしている事態であります。
3万トン以下にするために市は、事業系については目標の50%しか減量が達成していないとして事業系の分別資源化を徹底するとのことです。しかし、生ごみは5000トンの10%の500トン、分別資源化の促進で700から800トン減量する計画で、これでは3万トン以下に減量することはできません。家庭系ごみは目標の90%に達成しているとのことで、これ以上どう減らせというのでしょうか。その一方で戸別収集全市実施については今後も検討するとしていますが、戸別収集を全市実施となると施設への積立どころが、さらに税金が使われることになります。矛盾だらけ、その場しのぎであります。
鎌倉市民はゼロウエイストをめざし、分別・減量化を推進し、全国トップクラスの資源化・減量化を実現してきました。すでに平成25年度には半減化は達成しています。市民の努力こそ、評価し、たたえることが必要なのに、有料化で結果として負担増が押し付けられました。
安定的に減量するには燃やすごみの53%の生ごみの資源化を市が責任もって行うことです。
そのことが地球環境にもやさしい、また、無理なく減量できる道であります。新焼却施設建設の市民のご理解を得る上でも、限りなく燃やすごみを分別・資源化し、燃やすごみを最小限にする取組こそ、市民の皆さんにご理解・ご協力を得る上で必要なことではないでしょうか。今のままでは自区外処理を続けざるをえなくなるのではと心配するものであります。市民・事業者への丸投げのごみ行政を見直し、市が生ごみの資源化施設の検討を行うこと、市民との共同を壊す、有料化は見直し、原点にたちかえったごみ処理行政を求めます。
決算特別委員会等で様々な意見、問題点や提案をしてきました。
不適切な事務処理や生活保護での問題が明らかになりました。原因究明して中で、2度とこのような事態を作らない市役所づくりが望まれます。
鎌倉市が地方自治の本旨である福祉の増進を図り、市民の命と子育て支援、福祉、環境を守る、暮らし第一の市政になる様、これからも力を尽くすことを申し上げ、討論を終わります。