1月の新かながわに記事が載りました。ご紹介します。
北鎌倉駅裏のランドマーク 緑の洞門破壊計画
鎌倉市が文化財専門委員の
発言改ざんし、〝お墨付き〟
年間2000万人が訪れる、鎌倉市のJR北鎌倉駅裏の市道にある観光名物の素掘りトンネル「緑の洞門」をめぐって、取り壊しか保存かで揺れています。鎌倉市は安全確保のため取り壊して道路を拡張する方針を示していますが、地元の「北鎌倉史跡研究会」(出口茂代表)は、安全対策を施したうえでの保存を訴えており、意見は二分。鎌倉市議会では、取り壊しの陳情が可決される一方、保存の陳情も継続審査になるなど、鎌倉市、鎌倉市議会、住民を巻き込んだホットな論争が繰り広げられています。
ここへきて鎌倉市当局が文化財専門委員会での会議録を改ざんし、緑の洞門解体に同委員会が「お墨付き」を与えたかのような情報操作をしていたことが共産党の赤松正博市議の追及でわかり、同市の姿勢がきびしく問われています。
昔ながらの鎌倉の風景を残したトンネルとして観光客にも人気があり、「かまくら景観選」「関東の駅百選」に選ばれた北鎌倉駅周辺のランドマークです。
また重要文化財の円覚寺境内図に示されるように円覚寺の結界をなす史跡として貴重であり、鎌倉ガーネットと呼ばれる珍しい地層を目にでき、地質学的にも大切な天然記念物です。
解体の陳情を可決 保存の陳情を継続
鎌倉市は当初、現トンネルを補強する3つの案を示し、全体を切り崩す案など
は、住民に説明していませんでした。
その後鎌倉市は、近年細かな崩落がすすみ、13年の調査で山全体が崩れる危険性があると結論づけ、同年12月に地元の意見をとりまとめるために、町内会や学校関係者な
どと「北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会」を設立。市道路課は14年8月に開かれた同協議会で、トンネル一帯の山を全面的に切り崩す計画を「安全対策」の一つとして示し、同協議会で了承されたとしています。
会議録は道路課が作成 景観審議会に諮らず
14年12 月議会では、トンネルを解体し、4㍍の道路にする案を推進する同協議会からの陳情と、安全対策とトンネル存続の両立を求める2つの陳情が提出されました。
陳情を審議する建設常任委員会で共産党の赤松正博市議は、昨年7月開催の文化財専門委員会で、緑の洞門のことが議論され、貴重な文化財であることなど様々な意見がだされたのに、鎌倉市は一部委員の「死守しなければならない史跡ではない」との発言をフレームアップするなど会議録を改ざんし、緑の洞門解体に文化財専門委員会の「お墨付き」を与えたかのように情報操作したことを明らかにしました。同市の景観審議会にも諮っていませんでした。
住民に説明した会議録は、文化財専門委員会の事務局が作成したものではなく、事業を進める市道路課が作成したものだったのです。
赤松市議は、「御成小改築の際に貴重な遺跡が出た時は、文化財専門委員会に諮らなかったことが問題になりましたが、緑の洞門問題では、意見を聞いておきながら、市に都合の良い意見だけ紹介するという情報操作をしている。悪質極まりない。原点に立ち戻り、地質や土木の専門家による調査、さらに景観保全等の専門的検討が必要です話します。